今回は、2015年5月30日の愛媛新聞の記事です。
特に注目したいのは次の4点です。(私見です。)
1 「真ハタ家」経営のねらいは何か。その目的、方向性。
2 その背景にある水産業の問題とは何か。
3 「真ハタ家」経営に関わっている方々はどのような人なのか。
4 取り組みの一番のポイントは何か。
まずは、記事をご覧ください。
1 「真ハタ家」経営のねらいは何か。その目的、方向性。
それは「養殖(つくる)だけの生産者から脱皮して、生産者の力で市場を作り上げ、自ら価格を設定していける生産者になる」こと。
つくる(1次)に加え、加工(2次)や流通、販売(3次)まで手掛けて(いわゆる6次産業)、生産者と消費者のwin-winの関係を構築することのようです。素晴らしですね。しかもこうした意気込みや取り組みそのものに共感する消費者が生まれてくるとしたら、その消費者にとってのマハタは単に美味しい魚としての価値に加えて、共感してしまうこうした取り組みとそれに関わっている人の存在があるということ、そこから手に入れたマハタであるという特別な意味(物語)という価値が付加されたものになると思います。
そうなると「この消費者」は単なる消費者ではなくて「顧客(ファン)」ということになりますね。ここは大変大きな意味を持つと思います。
固定客になる可能性がありますし、口コミなどの宣伝の役割を担ってくれる可能性も出てくるからです。
2 その背景にある問題とは何か。
深刻な漁価低迷、魚離れ。記事はそう伝えています。
この問題は本当に生産者を苦しめています。生産者が報われないと後継者も出てこない、そういう悪循環になってしまいます。既に1次産業の後継者不足の問題は見過ごせない状況になっています。
幾つかの構造的問題があるようです。これらのことについては機会を改めてとりあげてみたいと思います。
3 「真ハタ家」経営に関わっている方々はどのような人なのか。
県認定漁業士の5人。
記事の写真、向かって右から藤堂正幸さん、中西誠さん、記事で紹介されている代表の福島和彦さん、福本大人さん、川本敏雄さんです。
認定漁業士とは何か。このことについては次回以降で取り上げます。
4 取り組みの一番のポイントは何か。
ニーズにこだわる。ニーズに柔軟に対応する。
このことについて福島さんは記事のなかで「みんなに愛されるように全力を尽くしたい」とおっしゃっています。
それと連携と協力。強みを持ち寄り、弱みを打ち消す。そういう関係性を構築するということのようです。どのような関係者と連携があるのでしょうか?
そして「人材育成(後継者育成)」。
これらについても次回以降で掘り下げて見ていきたいと思います。
次の2つの報告書を紹介します。
1 中西誠さんの報告書?「マハタでひとハタ揚げる~浜を越えた経営改善の取組み~」
2 東京水産振興会平成27年度事業報告書「浜の活性化に向けた取り組みの現状と課題」
1 中西誠さんの報告書?「マハタでひとハタ揚げる~浜を越えた経営改善の取組み~」
2 東京水産振興会平成27年度事業報告書「浜の活性化に向けた取り組みの現状と課題」