「鍵となるのは子どもたち」
鬼北町のこの取り組みには【希望と可能性】を感じます。
その意味で、注目しています、そして期待もしています。
【希望と可能性】がある。
そう感じる理由をここでは4つの視点から取り上げてみたいと思います。
最後に「希望と可能性」の意味にも触れてみたいと思います。
まずは、11月11日の愛媛新聞の記事をご覧ください。
記者は宇和上翼さん。
高齢化率42.3%、県内5番目。
この問題は鬼北町が一歩先んじて直面していますが、いずれどの地域も向き合うことが避けられない課題ですね。
「小中学生の認知症サポーターを養成し、地域全体で認知症の高齢者を見守る仕組みづくり」
【希望と可能性】がある。
そう感じる理由は次の4つです。
最後に「希望と可能性」について記述します。
1 多様な地域の課題解決に発展・応用可能なモデル的取り組みになっていること
どういうことかというと・・・
この取り組みは次のような仕組みになっています。
「認知症」を「地域の課題」に置き換えてみると、今後の発展の可能性が見えてきます。
「地域の課題」について行政と学校が連携していること。
そして「子どもたち→家庭→地域社会」という流れで、認識や取り組みを地域全体で共有する仕組みになっている。
この点について、鬼北町保健介護課・認知症地域支援推進員の高平さんは次のようにおっしゃっています。
「認知症について子どもたちが知ることで、家庭内でも話題になり関心を持ってくれれば」
つまり、「行政」が「学校」と連携して、学校を起点に「地域全体」の取り組みに発展させるシステムになっているということなのですね。
2「我が事・まるごと」の実践につながる取り組みになっていること
高齢化率がここまで高まってくると行政だけの対応にも限界がありますね。
この取り組みは、「地域共生社会」の実現に向けた一つの形になっていると思います。
「我が事」「丸ごと」がキーワード 地域共生社会実現本部が発足
3「地域とともにある学校」の実践につながる取り組みになっていること
学校は、社会や時代の変化に対応することを求められています。
記事によれば、この取り組みは、地域の課題に対して学校が行政や保護者(家庭)や地域と一体となった仕組づくりを目指しているとあります。
コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)
上のリンクは文科省のサイトなのですが、次のような説明があります。
「コミュニティ・スクールは、「地域とともにある学校づくり」を進めるための有効なツールです。」
4「アクティブ・ラーニング」の実践になっていること
キッズサポーター養成講座は、一方的に「こういう場合はこうしてください」と教えているのではないのですね。そういうスタイルでは児童・生徒は受け身になってしまいます。提示された課題に対する対応を主体的に思考し、実行するという形になりません。
キッズサポーター養成講座は、次のように展開されていることが記事から分かります。
「あなたならどうしますか?」
「児童らは、症状に合わせた対応をグループで話し合った」
この講座を受講した子どもたちの反応はどうでしょうか?
「怒って間違いを指摘するのではなく優しく対応しないと駄目だと分かった」
腹落ち感、納得感があります。
「近所にいつも声をかけてくれるお年寄りがいる。いざというとき力になりたい」
受けた恩を返したい。貢献したい。そいう自覚を感じさせてくれます。
素晴らしいですね。
まさに、アクティブ・ラーニング(主体的・対話的で深い学び)が行われています。
やるべき、やりたい、できる。そう感じたことが伝わってきます。
子ども達が最高の選択肢を掴むために
上のリンクは「主体的・対話的で深い学び」について学ぶことができる講座の紹介です。
次のような説明があります。学校の先生のみならず子育て中の保護者なども対象にしています。
「このコースでは、新学習指導要領の大事なポイント「主体的・対話的で深い学び」を学校だけでなく、家庭でも社会でも実現し、誰もが生涯に渡って能動的に学び続けること、多様性を活かし共創する社会へのきっかけとなることを意図して開講されます。
この時代に生きる一人一人が質の高い学びを実現し、生涯にわたって能動的に学び、一人一人にとって素敵な人生を送るため「主体的・対話的で深い学びを実現した授業」を教育者が実現していくことはもちろん、子育て中の保護者、人材育成に関わる方々も含めた多くの人が「主体的・対話的で深い学び」を子ども達と一緒に体験し、新学習指導要領を社会全体で実現していきたいと考えています。」
【希望と可能性】
行政、学校、家庭、地域が一体となって、地域の課題に取り組む。
しかも取り組みの継続によって、世代を越えて、取り組みが継承されていく。
様々な課題に、教え、学び、学び合う。支え、支え合う。
そのことに意味を感じ、貢献したいと思う。
そのことに自信と誇りを感じる。
そういう地域の担い手が、地域の大人の働きかけによって育成され継承されるなら、衰退しつつある地域にもまだ、希望と可能性がある。
そう思いました。
鬼北町の取り組みに注目していきたいです。