この事業には注目しています。
理由は、素晴らしい成果をあげる可能性がある一方で、やってもやらなくても変わらない程度の成果に終わる可能性もあるからです。
その分かれ目は、この事業のコンセプトないしは目的をこの事業に関わる人がどこまで共有し、実行できるかにかかっているように感じます。
つまり、実際の、それぞれの中学生の職場体験学習を通じて、共通事項として「何を伝えようとする事業なのか」、中学生に「何を学ばせようとする事業なのか」ここがしっかりとデザインされ、共有され、実行されるかどうかということなのですね。
ちょっと辛口な入り方をしてしまったのですが、それが具体的にどういうことなのかについては、次の記事をご覧ください。(5月3日の愛媛新聞の記事を取り上げています。)
結論を端的に言えば、ポイントは次の3点に集約できるように感じます。
① 協力企業や事業者がどれだけいるか?
② 推進委員会を作れるか?
③ 推進委員会が機能するか?
まずは記事をご覧ください。5月3日の愛媛新聞です。記者は、伊藤絵美さん。
①については、さすが宇和島。完全にクリアされているようですね。
職場体験学習協力企業等一覧表の「宇和島南中等教育学校」分は次のとおりのようです。
素晴らしいラインナップになっていると思います。
気になるのは②、③ですね。
この事業の本質は自己のキャリアを具体的にイメージさせる「きっかけ」を与えることにある。いわゆるキャリア教育だと思います。
「職場体験」学習の「職場体験」の言葉に引っ張られると、それぞれの職場の固有の知識や技術の伝授になってしまう可能性があります。
中学生の段階では、個別具体の職場の特徴や要求される知識、技術そのものに大きな意味があるとは思えません。
自身が生まれ育った地域には様々な仕事があるのだということを知る。ここが一つ目。
その中で、具体的に体験学習することとなったある職場で、そこで働いている人が、その仕事を通じて地域の「誰かの、何かの、ニーズ」に「モノだったりサービス」を提供することで応えている。そのことで助かったり、喜んだり、感謝する人たちがいる。そこにはそれなりの苦労があるにも関わらず、その仕事を自らの喜びとし誇りとしている大人がいる。それはカッコいいこと(あるいは憧れ)なんだ。ここに気付くことが二つ目。
ある職場を体験することを通じて、それを必要とする人たちに対する自身の価値ある貢献(求める人のニーズを満たすこと)によって、自身の働きが認められ、感謝され、信頼されるのだということを味わい、そこにやりがいや生きがいがあるのだということを知ること。いわば仕事、職業の意義を知ること。ここが三つ目。
だとすると、これから自分が何を仕事ととしていくのか、そこを探していきたい。そういう職業選択ないしは起業にたいする動機が生まれ、だからいろんなことに関心を持ち、これだというものが見つかったらそこに向けて自分を作り込む、そのために勉強すること、練習すること、協力することの意味を知る。ここが四つ目。
ざっくり言えばそういうことなのではないかと思います。
学校に戻り、みんながそれぞれ体験し、感じたことを、持ちより話し合う場もあることでしょう。
それぞれの驚きと感動と気づきの経験が交換され、そのこととの関連で地域のよさや課題も共有され、その結果、今度は自分はあんな経験をしてみたいそんな意欲も湧いてくる。
そのように導くことができたらいいですね。
小規模ながら、類似の取り組みの数々の実績があるのが宇和島です。
やり方次第でものすごい可能性があると思います。
推進委員会でどんな議論がなされてきて、どんなプランがまとまったのか、そこをご存じの方はいらっしゃいますか?
むっちゃ興味があります 笑