271)コンブで浄化 養殖の海 (宇和海に緑をひろげ環境を守る会)

水産業を抜きに南予・宇和島の発展は考えにくいですね。
宇和海の環境を守ることは、地域の持続可能性を維持するうえでとても大切なことだと思います。

今回ご紹介する内容
1「コンブで浄化 養殖の海」(NHK地域づくりアーカイブスの動画)
2「コンブ収穫祭(平成26年3月30日)」の様子
3「海浄化へコンブ種付け 宇和島で水産高生ら30人」(平成26年12月22日愛媛新聞)
4「由良のアワビ屋」こと松本功次さんのブログ
5「宇和海に緑をひろげ環境を守る会」の取り組み

以下、ご覧ください。
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1 コンブで浄化 養殖の海(2004年3月13日放送)
NHK地域づくりアーカイブスの動画です。
12年前の放送ですが、今につながる宇和海の環境改善に向けた取り組み、その始まりの経緯がわかります。
宇和島漁協の広沢初志さんが登場されます。どのような取り組みなのでしょうか?

魚介養殖が盛んな愛媛県の宇和海では、魚の餌の食べ残しや糞による海の汚れが問題となっていました。そこで、海を再生させようと、養殖業者たちが昆布の養殖も開始。昆布は海の汚れの元となる窒素やリンなどを吸着して海を浄化すると言われています。最初に始めた養殖業者は、育てた昆布を養殖アワビの餌にしています。さらに、そのアワビから出た糞を餌にしてナマコも養殖。できる限り海を汚さない循環型の養殖です。

次のリンク先でご覧ください。
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http://www.nhk.or.jp/chiiki/movie/?das_id=D0015010198_00000

2 コンブ収穫祭(平成26年3月30日)の様子
海の浄化のためのコンブの養殖。このような形でコンブと認識が市民に還元されています。

3「海浄化へコンブ種付け 宇和島で水産高生ら30人」(平成26年12月22日愛媛新聞)

コンブを使って海を浄化しようと宇和海の漁業関係者らでつくる「宇和海に緑をひろげ環境を守る会」は21日、愛媛県宇和島市築地町2丁目の県漁連宇和島支部でコンブの種付け作業をした。
寒風が吹きすさぶ中、会員や宇和島水産高校の生徒ら計約30人が参加した。コンブの胞子が付着した種糸を3~5センチ程度にカットした後、高校生は会員の指導を受けながら、約8メートルのロープに種糸を差し込んだ。
種付けをした250本のロープは、九島周辺や日振島沖などの真珠いかだや魚類の養殖場に設置。2015年3月に収穫祭を開く。宇和島水産高3年の岡本あいさん(18)は「種付け作業が漁業の発展につながればうれしい」と願った。

http://www.ehime-np.co.jp/news/local/20141222/news20141222499.html

4 「由良のアワビ屋」こと松本功次さんのブログ
2010年1月の由良のアワビ屋ホームページには次のようにあります。

愛媛の宇和島は、真珠養殖の盛んな地域です。私も今まで真珠産業に40年余り携わってきました。もちろんこれからも続けていくつもりです。しかし、この業界も近年の不況でピンチなんです。
私は、このピンチをチャンスと思い新しい事業に取り組むことにしました。
トラ年だけにトライします。
その第一歩が、このエコであり環境にやさしいアワビ養殖なのです。
私は、海で生まれ育ちましたすぐそこの海の磯には、アワビの餌となるヒジキもあり天然のアワビもよく取れてました。
では、現在はどうでしょう?
二酸化炭素削減、地球温暖化と環境の悪化が問題とされ私の3歳になる子供でさえエコには敏感です。
このホームページを見てください。海の汚染、磯焼けを救うためこの宇和島でもコンブ養殖を行う活動が行われていること、そのコンブが水中のCO2や富栄養化した沿岸域の栄養塩を吸収し、酸素も供給して海水を浄化するのみならず、不特定多数の魚介類の産卵場や揺籃場をつくり、生態系を多様化すること、さらに餌としてアワビに供給することで「ゼロエミッション型のつくる漁業」となりアワビとコンブの複合養殖こそが地球のためそしてなにより私自身が生活していくための新しい事業だと決意したわけです。

※ なお、現在このブログの更新は止まっています。
現在の「由良のアワビ屋」のホームページはこちらになります。

松本さんは「宇和海に緑をひろげ環境を守る会」の会員になっているようです。
こちらのブログの「2013.12.23」の記事に記述されています。
http://yuranoawabiya.blog108.fc2.com/blog-entry-957.html

5「宇和海に緑をひろげ環境を守る会」の取り組み
上記1~4の「宇和海に緑をひろげ環境を守る会」の取り組みとはどのようなものでしょうか。次のリンクからご覧ください。冒頭、次のような序文から始まっています。

宇和海の環境と、産業の共生をめざして
序文 宇和海に緑をひろげ環境を守る会  会長 古谷 和夫

我々は宇和海から多くの恵みを得ているが、魚類養殖にしても真珠養殖にしても、その収穫物は海への人為的な付加の見返りである。また、一般市民の人たちも生活排水等を通じてやはり海に負荷をもたらしている。したがって、恵みの海を恒常的に利用してくためには、やはり人為的に負荷を取り去ることが必要であり、ひいては地球環境の修復にもつながると考えた。そして具体的には、九州などの先進地での取り組みに習い、「水生動物の養殖で傷めた海を、海藻の増殖で修復する」 ことにし、コンブの海中林をつくることにした。
専門家によれば、コンブは海中の窒素やリンや二酸化炭素の吸収能力にすぐれ、光合成による二酸化炭素→酸素の変換能(単位面積あたり)は熱帯雨林の2倍以上に及ぶという。また、宇和海では越夏できないので新たな環境撹乱要因にはつながりにくいこと、さらに、そのコンブをエサにアワビや養殖するなど「ゼロエミッション型のつくる漁業」の鍵種ともなりえること、などが海藻のなかでもコンブを選んだ理由だ。
収穫されたコンブは、それぞれが料理素材としたり、マダイ養殖用のモイスペレットに混ぜたりして利用されているが、今後はミカン栽培の肥料などとしても活用してもらい、それが山村と漁村との交流活性化にもつながればと思っている。
また、こうした取り組みが契機となって、環境問題を自分達自身の問題ととらえ、その保全のために積極的に行動する人材がより多く育って欲しい。

http://www.uwajimacity-information-development.com/konbunokai/index.html

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