宇和島市の人口推移。やはり楽観できないですね。
若者…、特に高校卒業後の若者の流出に歯止めがかかりません。
むしろ流出が加速しているかもしれません。
以下、どういうことなのか見ていきます。
宇和島市の「年齢別の人口」と「年齢別の人口推移」のグラフを2016年のデータを反映させて更新しました。上から2番目のグラフ2(2005年~2016年)がそれです。
1番目のグラフ1は(2005年~2015年)のものです。
グラフの見方については、こちらの記事で詳しく解説してありますのでご確認ください。
グラフ2以降の説明が理解していただきやすくなると思います。
178)宇和島の人口減少の原因とは何か?これからどうなるのか?
次のグラフが2016年の最新データを反映したものになります。
【グラフ2(2005年~2016年)】
グラフ1(2015年)とグラフ2(2016年)を比較して言えることは幾つかありますが、ポイントは次の3点だと思います。
① この1年間で、1948年生まれの人(宇和島で最大の人口を占める年齢層です)の人口が約20人減った(1780人から1759人)。これはある意味で当然ですね。ご高齢になるにしたがって亡くなる方の数は増えます。このことはどうしようもありません。
そしてこのいわゆる団塊の世代の方々のボリュームは非常に大きいですから、ここから10年、20年の時間を経て、宇和島の人口は急激に減少していきます。繰り返しになりますが、このことは仕方のないことです。今後も宇和島の人口は減り続けます。したがってこれからの「まち」をどうしていくかについては、次の二つのことに留意する必要があるでしょう。
一つ、もの凄いいきおいで高齢化が進む。大先輩方の健康維持や介護をどうするか。
二つ、もの凄いいきおいで人口が減少する。人が減ることを前提とした「まち」づくりを考えなければいけないですね。(消費も減ります。税収も減ります。)
② この1年間で、生まれた赤ちゃん、ゼロ歳の子どもの数が約20人減った(463人から445人)。20人減ったことそのものが問題なのではありません。ず~っと減り続けていることが問題です。
③ 高校卒業後の若者の流出が続いている。
例えば、この1年間で、1988年生まれの人が約20人減りました。昨年は27歳で504人いました。今年は28歳になりました、482人まで減っています。約10年前、17歳の頃は1008人いた年代層なのです。半分以下になってしまいました。
若者の流出、戻ってこない。これが赤ちゃんの減少の大きな理由の一つと言えるでしょう。
将来の地域の担い手候補の数が減り続けているということなのです。
懸念材料がもう一つあります。
次のグラフ3は、グラフ2の18歳から28歳までの若者の約10年間の人口推移を拡大したものです。
ご覧ください。
【グラフ3(18歳~28歳までの年齢別人口推移拡大図)】
1987年生まれ(オレンジの太い線)以前に生まれた人たちと、
1988年生まれ(赤の太い線)以降に生まれた人たちとでは、
特に23歳から28歳くらいまでの間の人口推移に違いがあるように見えます。
1987年以前に生まれた人たちは23歳から28歳の5年間ぐらいの間で人口減少に歯止めがかかり、ほぼ横ばいになる傾向が見られます(むしろ一時的には増加するシーンもあるようです)。
ところが、1988年以降に生まれた人たちは、この間に人口減少に歯止めがかかりません。
サンプルデータが少ないので、今後の推移も見ないことには傾向の変化が本当にあるのかどうか断言はできませんが…、
1996年、真珠母貝の大量斃死がありました(1988年生まれは8歳)。
2008年、リーマンショックがありました(1988年生まれは21歳)。
2011年、東日本大震災がありました(1988年生まれは24歳)。
理由はよくわかりません。
それでも、87年以前生まれと88年以降生まれの間には傾向の違いがあるように思えるのです。
流出に歯止めがかかっていないように見えます。
若者はなぜ流出するのでしょうか?
なぜ戻ってこないのでしょうか?
理由があるはずです。
地域に雇用がないからだという説もよく耳にします。
本当にそうでしょうか?
一方で、後継者不足の問題も深刻になっています。
雇用の不足?後継者の不足?
矛盾していますね。条件の違いなのかもしれません。
いずれにしても理由があるはずです。
南予。宇和島。素晴らしい地域です。
どうすればいいでしょうか?
次回以降も引き続き考えていきます。
ヒントは、「人」と「人の関係性」にある。
そんな気がします。
※ データ元はこちらです。
宇和島市ホームページ 年齢別人口