203)「海すずめ」 大森監督からのもう一つのメッセージ。人を動機付け、突き動かすものとは何か。

「モチベーション3.0」という言葉ないしは考え方を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
モチベーション。動機。要するに人を突き動かす力はどこから来るのかということですね。
社会の発達・発展の推移にしたがって、人を動機付ける要素にも変化があるということのようです。一言でいうなら次のような段階を経ているようなのです。
モチベーション1.0 生存のため
モチベーション2.0 報酬のため
モチベーション3.0 好きなこと、大切なことのため

さて、今、宇和島に関連してもっとも大きな話題の一つといえば、大森監督の「海すずめ」ですよね。7月10日のジュニアえひめ新聞に大森監督のインタビュー記事が掲載されています。

「自分 貫いて」
最初に、大森監督のインタビュー記事の内容をご覧いただきたいと思います。
次に、「やる気に関する驚きの科学」と題するプレゼンテーションの動画をご覧いただきたいと思います。(超有名なプレゼンです)
大森監督がおっしゃっていることとプレゼンの内容とが、不思議なほどその本質の部分でオーバーラップしています。
ここに大きなヒントがあると感じています。詳しくは後半で触れます。
まずは、大森監督の記事をごらんください。
写真は荻原実紀さんにご了解いただいてFaceBookから転載させていただいています。
自分を貫いて 大森監督

映画「海すずめ」大森研一監督(砥部出身)
「自分 貫いて」
小学生の頃から映画が好きで、監督になりたいと思っていました。
でも、どうしたらいいかは分かってなくて、絵や漫画をひたすら描いていましたね。自分でストーリーを考えたマンガを、大きな紙に描いて勝手に教室の壁に張り出したり、ノートに描いて友達に回し読みしてもらったりしていました。よくあんなパワーがあったなあと思いますが、僕の「ものづくり」の原点です。

小中学生世代は、人と違うことや目立つことをしたら冷やかされるかもしれません。だけど、自分を貫くのは大事なことです。やってみたいことがあれば、周りを気にせず絶対にトライした方がいい。何事も一歩を踏み出さないとスタートしませんから。そして夢に向かって「孤独を恐れない」という心掛けも必要かな。

監督として地元で映画を撮れるというのは光栄なこと。「海すずめ」は宇和島でほぼ全編ロケをし、地元のひとたちと作ったようなものです。きれいな風景や人々の温かさなど愛媛ならではの映像になっています。「当たり前だった風景が実は自分の力になっている」

僕自身が感じたことを主人公にも投影させました。誇れる古里を全国に発信していきたいですね。

ポイントになるところを再度拾ってみます。ここです。
「自分 貫いて」
映画が好き。監督になりたいと思っていた。
どうしたらいいかは分かってなくて、絵や漫画をひたすら描いていた。
よくあんなパワーがあったなあと思いますが、僕の「ものづくり」の原点。
自分を貫くのは大事なこと。やってみたいことがあれば、周りを気にせず絶対にトライした方がいい。夢に向かって「孤独を恐れない」という心掛けも必要。
監督として地元で映画を撮れるというのは光栄なこと。
宇和島でほぼ全編ロケ。地元のひとたちと作ったようなもの。
「当たり前だった風景が実は自分の力になっている」
誇れる古里を全国に発信していきたい。

次に、ダニエルピンク氏のTEDでのプレゼンを見ていただきたいと思います。
約18分の動画です。きっと「なるほどー」と思っていただけると思います。ぜひご覧ください。英語ですが、日本語字幕もついています。
12分17秒~13分直前までの部分に結論といいますか、エッセンスが語られています。
そしてラストには、それが世界を変えるとも。

自主性。成長。目的。
自主性は、自分の人生の方向は自分で決めたいという欲求。
成長は、何か大切なことについて上達したいということ。
目的は、私たち自身よりも大きな何かのために やりたいという切望。

いかがでしょうか、大森監督がおっしゃっていることと重なります。
愛媛、南予、宇和島には、人を動機付ける要素があるということだと思います。
それに気付かせてやれるかどうか、ここは工夫の余地があるかもしれません。
強調しておきたいことは…、
「やるべきだと思うからやっている、やりたいと思うからやっている、できると思うからやっている。」
そういう方々が宇和島にはたくさんいらっしゃる。これまでたくさん紹介してきたとおりです。

そして、そういう方々の行動、語りが若い人たちを動機付けている現実があるということ。
その輪を広げていける余地と可能性がまだまだたくさんあるということですね。

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