150)伊達藩校の復活が、宇和島の可能性になる(第3回)

【注目】宇和島商工会議所青年部のホームページがリニューアルされたようです。

前回の記事で次のように記述しました。

宇和島の高校生が地元・故郷にどのような印象を持っているか、次回以降、このことも確かめる必要がありそうですね。

ですので、今回はそのことについて書くつもりでいたのですが予定を変更します。
理由は、冒頭でお知らせしたように、本日、宇和島商工会議所青年部(宇和島YEG)のホームページがリニューアルされたようなのですが、会長の中川秀樹さんの「会長あいさつ」と「今年度のスローガン」が素晴らしい内容だったからです。

【今回のポイント】
次のことと「伊達藩校」との関係、その意味について考えます。
やはり宇和島YEGは、仮に伊達藩校の復活があるなら、宇和島の持続可能性について重要な役割を担うように思います。

1 宇和島YEGの「会長あいさつ」と「今年度のスローガン」
「~繋げよう~ 人・地域・そして未来へ‼」

2 地にぎりグランプリ(地にぎりNIPPON)
宇和島YEGが中心となって実行しているイベント。
「フード・アクション・アワード ニッポン2015」で優秀賞を受賞しています。
凄い実績ですよね。

3 ジュニアエコノミーカレッジとは何か
全国の商工会議所の青年部を中心とした小学生向け起業体験プログラム。
商売体験を通して「自ら決めて行動できる人材の育成」ということのようです。
宇和島ではまだ実施されていないようです。

さて…、
前回の記事で、伊達藩校が果たすべき役割は「将来の宇和島を担う人材の育成」であるということ。
そして、伊達藩校の主たる機能は次の3つだということを申し上げました。
1 愛郷心を育むこと
2 縦横の絆を強めること
3 仕事を教えること(ざっくばらんに言うと「稼ぐ」ノウハウを教えること)

宇和島YEGの今後の活動は、伊達藩校の機能の全てと密接に関係してくるような気がします。

以下、詳しく見ていきます。

■1 宇和島YEGの「会長あいさつ」と「今年度のスローガン」
中川さんは「会長あいさつ」で、次のようにおっしゃっています。

我々青年部、地域の青年経済人として一番に気にかかることは地域経済についてではないでしょうか。この宇和島でどれだけ地域の経済的発展の支えとなることができるのかを常に考えていかなければなりません。

人口減少問題においても考えていかなければなりません。現在の宇和島の人口は80,000人を下回り、10年後にはさらに1万人減り、2050年には43,000人という現在の半分近くまで減少するデータが発表されています。高齢化が進むと同時に、若い人が都会へ行ってしまうシステムを変えていかなければなりません。これらの問題をどうすれば良いかを考え抜き地方創生を目指すことが、我々青年部の役目だと思っております。

的確な課題認識、役割認識を示されていますよね。とても頼もしいと感じます。

そして、28年度のスローガンを次のように示されています。
「~繋げよう~ 人・地域・そして未来へ‼」

これって、伊達藩校の主たる機能の2つ目。「縦横の絆を強める」とピッタリと重なっています。詳細はこちらをご覧ください。

会長あいさつ

■2 地にぎりグランプリ(地にぎりNIPPON)
ご存じのとおり、宇和島YEGが既に凄い結果を出しています!
写真の文面も必ず見ていただきたいです。特に次の部分。
会長の中川さんは「今年度は南予博で高校生とコラボして《地にぎり》をアピールする予定です。」と語っています。
YEGと高校生がコラボする。
これって、伊達藩校の主たる機能の2つ目、「縦横の絆を強める」を実行するということそのものです。そして3つ目の「仕事を教える」ともピッタリと重なっています。
地域で、地域の強みを活かして、ビジネスする。これは起業家教育そのものだと思います。

フード・アクション・ニッポンアワード2015 地にぎりNIPPON

■3 ジュニアエコノミーカレッジとは何か
私もホームページからの情報しか持ち合わせていないのですが、どうやら会津若松YEGが始めた事業のようです。次のように説明されています。
非常に興味深いですね。
これも、伊達藩校の主たる機能のの2つ目「縦横の絆を強める」3つ目「仕事を教える」とピッタリと重なっています。

ジュニエコって
商売体験を通して、「自ら決めて行動できる人材の育成」プログラムです。

ジュニアエコノミーカレッジ(以下、ジュニエコ)は、小学校5、6年生が1チーム5名で模擬株式会社を設立し、計画、仕入れ、製造、販売、決算、納税までの一連のサイクルを体験するプログラムです。資本金10,000円、必要であれば10,000円の借入をし、最大20,000円の元手で会社を経営します。

地元の大人が子どもを育てる
ジュニエコの運営者は、その街で商工業を営む地元の大人達です。

大人の役割は子供が「決める」ための環境を整備することです。環境整備とは、大きなルールや体験の場を作っていくことです。子供たちがのびのびと「自分力」を発揮できる環境、様々な条件を踏まえて「決める」体験をする場、それをつくるのが、我々大人の役割です。

これまでの開催実績は次のとおりだそうです。
各地の商工会議所青年部が中心になっていることがわかります。

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詳細はこちらをご覧ください。
NPO法人ジュニアエコノミーカレッジ

今回の最後に、宇和島YEGの事業計画を見てみます。

1.有能な実業人の養成に努める。
2・活動を通じて会員相互の親睦を図るとともに自己の向上を目指す。
3・異業種間の情報収集、分析をもとにより効果的な事業を行う。
4・希望あるまちの未来に向けて、可能性と創造性に挑戦する。
5・格調高い組織をつくり、地域経済の活性化に関与できるよう見識を深め意見の上申を行い、その実現化に邁進する。

もし、宇和島YEGが会員にこだわらずに(そんなことができるのかどうか承知しておりません)、小中高生も巻き込んで事業を展開していくことができるなら、「将来の宇和島を担う人材の育成」の中心的役割を果たすことが期待される集団であることは間違いなそうな気がします。

※ 中川会長様はじめ宇和島YEGの皆さま。勝手なことを書き連ねまして申し訳ございません。

次回は、「宇和島の高校生が地元・故郷にどのような印象を持っているのか」。
この辺りを中心に考えてまいります。

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