「宇和島ファンクラブ」のメンバーのひとり。
広井亜香里さんが「柑橘記」のシリーズ投稿をご自身のFacebookにアップされています。
“みかん”への思いにあふれています。圧倒されます。その行動力にも。
どのように紹介したらこの感覚(驚きと感動)を少しでもたくさんの方々と共有できるかとあれこれ考えたのですが…。私ごときの感想やコメントをするのはやめることにしました。
ただそのまま、ストレートに、ご紹介することにします。
「柑橘記」と「柑橘記Ⅱ前編」の2つです。いずれも長文ですが、ぜひお読みいただきたいです。宇和島のNinofarmさん(二宮新治さん)が再々登場されます。
宇和島とのつながり。大切にしたいですね!
目次を最初にご紹介しておきます。章立てのタイトルからも伝わってくるものがあります。
「柑橘記 2015-2016」(Facebook 2016年8月9日投稿)
🍊序章 極楽への行きがけ、摘果の冷凍みかん
🍊第1章 極早生は恋の予感
🍊第2章 早生みかんにぞっこん
🍊第3章 四六時中みかんづくし
🍊第4章 みかんなしでは生きられない!
🍊第5章 中晩柑の台頭
🍊第6章 日本の何処かに私を待ってるみかんがいる
🍊第7章 めぐり逢ひて見しやそれとも分かぬ間に 春みかん
🍊第8章 終わりの予感、河内晩柑
🍊終章 愛が深まるジューンブライド
「柑橘記Ⅱ 2016-2017前編」(Facebook 2017年1月16日投稿)
🍊序章 柑橘界の明け星~日本みかんサミット~
🍊第1章 めくるめく極早生みかんちらり
🍊第2章 中身を開ければ至上のさじょう
🍊第3章 慕情を誘う焦れったみかん
🍊第4章 みかんが主食、おかずはみかん
🍊第5章 触って嗅いで味わって、ビジンなみかんを比べっこ
🍊第6章 まどんなの渡せる橋をDIY
🍊第7章 スゴイ中のスゴイみかんと、スゴイを通り越したみかん農家さん
🍊終章 ゆくみかんくるみかん
以下が、二つのFacebookの投稿へのリンクになります。
最初が「柑橘記」(PCでご覧の方は是非こちらのリンクからどうぞ)
次が「柑橘記Ⅱ前編」(PCでご覧の方は是非こちらのリンクからどうぞ)
こちらの記事も併せてご覧いただきたいと思います。
301)モノだけでなく、コトも創る! 柑橘ソムリエ 二宮新治さん
Facebookで見ることができない方のために、以下に広井さんの記事を全文をコピペしておきます。
柑橘記 2015-2016
🍊柑橘記
柑橘のコアシーズンもあっという間に落ち着き、温室みかんが店頭に並ぶ今日この頃。
今シーズンは、例年に増してみかんに彩られた日常を送りました。
体感周辺消費量は3倍増くらい。
食べたみかんを振り返ってみるとなんと82品種
みかんを食べる人、みかんのある光景、みかんのある場面。
そんな今年の「いとしみかん」を記録に残します。
(ものすごく壮大、長編)
食べた柑橘一覧 82品種
・温州みかん: 10品種
1日南1号/2宮川早生/3興津早生/4小原紅/5ゆら早生/6大津/7南柑20号/8青島/9石地/10寿太郎・中晩柑橘: 60品種
1八朔/2紅八朔/3甘夏/4紅甘夏/5宮内伊予柑/6ひめのつき/7姫小春/8のぞみ/9ありあけ/10紅まどんな(愛媛果試28号・中島まどんな・瀬戸のまどんな)/11はるみ/12はれひめ/13今津ポンカン/14太田ポンカン/15はるか/16スイートスプリング/17金柑/18セミノール/19アンコール/20マーコット/21湘南ゴールド/22黄金柑/23せとか/24麗紅/25津の輝/26甘平/27晩白柚(ザボン)/28土佐文旦/29パール柑(大橘)/30平戸文旦/31紅まどか/32春峰/33天草/34清見/35サマー清見/36クレメンティン/37デコポン(不知火)/38ネーブル/39春峰/40せとみ(ゆめほっぺ)/41ミスキョウコ/42弓削剽柑/43南津海/44ユーポン/45,46,47名前のないみかんA,B,C/48ジュナール/49南津海シードレス/50柑橘中間母本農3号/51柑橘中間母本農6号/52夏みかん/53日向夏(ニューサマーオレンジ・小夏/54カラマンダリン/55河内晩柑(ジューシーオレンジ・美生柑・愛南ゴールド・宇和ゴールド)/56タロッコ/57モロ/58安政柑/59駿河エレガント/60バレンシア・香酸柑橘: 12種
1ユズ/2すだち/3レモン/4シークワーサー/5橙/6タンカン/7じゃばら(皮)/8かぼす/9マイヤーレモン/10鳴門オレンジ(果汁)/11新姫(果汁)/12ぶしゅかん
🍊🍊🍊🍊🍊🍊🍊🍊🍊🍊🍊🍊🍊🍊🍊🍊🍊🍊🍊序章 極楽への行きがけ、摘果の冷凍みかん
インターンにお邪魔した愛媛県宇和島のNinofarmさん。
最後の摘果でとれた、青々としてけれどもはじけそうな手触りのみかんを冷凍庫へ。
皮を剥いた冷凍みかんの、果実の房の中の一粒。果汁があふれた時は、今までの常識が口の中でくつがえった瞬間。🍊第1章 極早生は恋の予感
またまたインターンに行った、佐賀県の唐津市。全国で一番早く極早生みかんの出荷が始まる地。 そんな唐津で、全国のみかん好きに先駆けて9月半ばに食べたのは、まだ緑色の、かたーいみかん。皮も分厚く、とても酸が強かった。
けれど、赤いネットに入ったみかんとの対面は、今年もシーズンが始まったときめきを感じさせてくれました。🍊第2章 早生みかんにぞっこん
10月。怒涛のみかんづくしのはじまり。
まずは、香川県から、瀬戸内海の空気を吸ったみかんを送っていただきました。
香川の柑橘は東京ではほぼ無名だけれど、味と粒感、果汁のバランス、薄皮の分厚さが良い。今年も抜群。
個人的に、みかんの「音のおいしさ」では全国ナンバーワンの香川みかん。
ほぼ1年ぶりに、なんとも言えないじゅわっとした音を味わって覚醒。そして、ぼってりした橙色に色づいた宇和島Ninofarmさんの宮川早生と再会。
さわり心地、色、カタチ、匂い、そして剥く音。
すべてを堪能したときの衝撃を例えるならば、「陽だまりが体の中に入ったような、柔らかい痺れ」
これが真のみかんだ!!!と日本中の人に叫びたいような、エネルギッシュかつ母性を感じるみかんに、骨の髄までメロメロ。
今まで、温州みかんの中の、「宮川」と「興津」等、品種を区別して考えたことなんてなかったのに、食べれば食べるほど違いが分かるようにも、分からなくもなり。🍊第3章 四六時中みかんづくし
11月は、友人と神奈川は小田原付近の観光農園にみかん狩りへ
これまで、おいしいみかんを作っている畑を見たからこそ、なんとも言えない「手をかけていなさ」に気付く。
大きな木のてっぺんから地面すれすれまで鈴なりに成るみかん畑は、目にはおいしい。
(自主的に)果汁を浴びたりもできるので、みかんと触れ合う体験という意味では本当に素晴らしい場だと思います。
けれど、「おいしいみかん」と謳って、これが本当のみかんの味だと、世の中の人に思われたらいやだなーと感じました。
みかん愛好会の活動も繁忙期。
学園祭でみかんの障害物競走をしたり、ファッションショーを開催したり、様々な大会でプレゼンをしたり。
それに伴い、みかんグッズもぞくぞく増え始め。
テレビにも取り上げて頂いたり、生活のコアがみかんだらけな時期。
だんだんと手足だけでなく体全体が黄色がかり、教授にまで度々「黄色いけど大丈夫?」と深刻な顔で言われる。夏に作ったみかんホルダーをヘビーローテーション。どこにでもぶら下げて持ち歩き、色味を楽しんだり、食べたくなったら食べたり、ちょっとしたコミュニケーションで人にあげたりシェアしたり。
今まで、赤いネットを不安定な状態でカバンに着けていたこともありましたが、
このホルダーのおかげでみかんライフが随分豊かになった気がします。11月のおわりには、原点ともいえる香川県女木島の西浦地区を訪問。
紅早生のあかと瀬戸内海の青のコントラストがまぶしい畑に癒されました。🍊第4章 みかんなしでは生きられない!
いよいよ12月は中晩柑類が出始め。
島じまんというイベントでは、以前合宿で伺った愛媛県中島の紅まどんなを試食させていただきました。ぷるんぷるんのゼリ―の食感が久しぶりで、しみじみと感じる、「みかんってすごい」。
都心のコンビニで「ひめのつき」を見かけて、感動。
愛好会でみかん大配付を行った12月3日みかんの日
参加できなかった私は大学のゼミメンバーに声を掛け、みかん鍋パーティーを開催。
(周防大島のみかん鍋をアレンジした家庭版)
食べる前はみんな半信半疑でも、思ったより全然おいしい!と口々に言ってくれて、本当にうれしかったです。
さらにこの日は、勝手にみかんであいさつ運動の日に設定していたのですが、
みんなで唱えた「いただきまスイートスプリング!」には、くらっとくるほど感動しました。
スイートスプリングというマイナーな柑橘名が一般人のこの人数に一度に唱えられたのは、きっと日本初なはず。
みかん愛好会で行った、「お座敷みかん列車」。
当日はみかん農園でみかん狩りのお手伝いをしましたが、参加者の方とお話しし、いくらみかんの消費量が減っているといえど、みかん好きがいなくなっている訳では決してないこと、肌で感じました。そして12月の後半には、再び宇和島へ。
到着した夜、Ninofarmさんのみかん倉庫で、糖度計が壊れているのではないかと思うほど糖度の高い南柑20号、宮川、紅まどんなを、寒さも時間も忘れみんなで一心不乱に食べつづけたことは、私の生涯の柑橘史に深く刻まれました。
食べても食べてもそこにある次のみかんに触れたくなって、次の瞬間にはまた皮をむいて音を聞いて、気づいたら日付が越えていました。
完成度の高すぎるみかんは人の行動さえ支配できます。
畑の見学もさせていただき、ポンカンの匂いをかぎ、鮮やかなはるかの色を浴び、これからもっともっと美味しくなる柑橘と五感で戯れました。みかんを抱えて帰京したあとの12月25日、合宿でお世話になった愛媛県中島の農音さんから、クリスマスプレゼントにみかんの島の南柑20号を贈っていただきました。
粒の水分量が多くジュ―シーで、けれどもしっかり味の層があって、味わい深いクリスマスオレンジ。(音も◎)
今更ながら、何よりも嬉しいプレゼントをありがとうございました。
クリスマスオレンジの文化、広めていきたいです。
この時期は、体調に合わせて上記の極上みかんたちを食べ比べる贅沢な毎日。🍊第5章 中晩柑の台頭
1月に入り、富士山にみかんを掲げて2016年スタート。
色とりどりの中晩柑がちらほら顔を見せます。
みかん愛好会では、なんとも贅沢な食べ比べ大会をしました。
せとか、甘平、はるみ、ポンカン、デコポンに金柑、晩白柚まで。
ハナウタカジツさんにいただいた金柑のおいしさに驚き、ただただ掃除機のように口に入れていました。
皮もたくさん生まれて、幸せな空柑
晩白柚の皮の活用法を探りました。
(携帯と同じくらいのサイズに切って持ち歩くのが◎)
東京での宇和島イベントでは、ポンカン、はれひめ、はるかとご対面。
みかんはこたつのイメージが強いですが、カットして並べるとすごくおしゃれ。
みかん×オレンジのはれひめが、一般の方々に好評で、やはり本当の美味しさを知ってもらえる情報と機会さえあれば、 みかんを愛してくれる人は沢山いるんだ!と思います。
一方で、面と向かってみかんを卑下される経験をしました。
悲しくて悔しくて。
でもこの時に、愛好会ではない知人たちから、みかんの好きなところをたくさん挙げてもらって、とても支えになりました。
今まで半ば自己満足で人に配っていたみかんに対し、そんな風に思ってくれている人がいるというだけで、理不尽な誹謗に達観して向き合うことができました。🍊第6章 日本の何処かに私を待ってるみかんがいる
中晩柑の最盛期2・3月は、1週間おきにいろいろな場所に出かけつつ、各地でみかんを食べました。
香川で見つけた、大分県産「春峰」。文旦とみかんの掛け合わせだそうで、色はみかんなのに、大きくて粒も固め、食味もあっさりした文旦の味。
視覚と味覚のギャップに戸惑い。
ゼミ旅行で行った九州では、初日に大分のスーパーで買ったみかんでスーツケースがいっぱいになり、
翌日は、佐賀県太良町の道の駅で、早生みかんからブラッドオレンジまでが並ぶ、桃源郷かと見まごう光景に圧倒されて試食をしながら買いあさり、
さらに夏にも訪れた熊本の八百屋さんでは、また来たんですか!と覚えていてくれた店主さんから夏と同じく河内晩柑を購入。
これら総勢11品種10kgに及ぶみかんは、当然1人では機内に持ち込めず、
同期みんなに手伝ってもらって、カバンが破れながらもなんとか持ちかえることができました。
ありがたいよかんです。
カバン破れたところから黄色や橙のまるいみかんが零れそうにちらちら覗く様子が、
じょうのうの隙間からちらりと、つやつやぷっくりした粒が弾ける大好きなはるみのようでした。
3月。
今年は、何度も登場するNinofarmさんのはるかを食べて、世界が変わります。
黄色いみかん、というだけで、「すっぱいのではないか」「剥きにくそう」という偏見がつきまといがちですが、そんな話をすべて吹き飛ばすほどの衝撃。
見た目がかわいくて甘くて香りもよく食感も楽しい、潰れにくく持ち運びやすいのに剥きやすい、というはるかのすばらしさに改めて気づき、
周りの人に配り歩いたり、疑似広告を作ったりしていたら、近辺でははるかの認知度と評価がじわりと上がったようです。
これからも地道に普及活動をしていこうと思います。
その世界を変えるはるかが生まれた宇和島へ。
短い時間でしたが、ついに本格的な収穫お手伝い。
はるかやせとかを獲りながら思った事は、好きなものを、自分の目で見て体験して深く深く知ることは本当に大事なことだと。
愛情にもみかんのようなコクが出てきます。
地下足袋をプレゼントして頂いたので、これでいつでも畑に入れます。さらにそこから九州へ渡り、福岡へ。愛好会のみかん料理合宿に参加しました。
みかん×食材Xの無限の可能性を探った時間。
そのものの美味しさをどう超えていくのかを考えるのが難しいところです。
今は自信を持ってみかんは料理の食材になります、と言えます。
そのまま山口県は周防大島でみかん愛好会春合宿。
なつみという品種を作られた山本柑橘園さんにお邪魔しました。
ひっくり返るかと思うほど、見たことない品種、聞いたことのない名前のみかんがずらり。
解説とともに試食をさせていただいて、柑橘の奥深さに感慨深み。
山口県柑橘試験場では中間母本農6号というみかんに出会ったのですが、名前の堅さに反して、とてもとても美味しい!
もっと気軽に手にできたらいいのになぁと思います。
念願の本場みかん鍋も!🍊第7章 めぐり逢ひて見しやそれとも分かぬ間に 春みかん
4月に入り、再々度愛媛。
柑橘ソムリエのイベントに参加させて頂きました。
今回は、ジュース飲み比べや、柑橘BARで「柑橘の世界」
会場となった宇和島の木屋旅館は、とてもすてきな木造建築で、2階の床部分がガラス張りになっています。
そこにメンバーのみなさんが作られた多種多様な柑橘を並べて、念願の柑橘宇宙。
下から見ると、本当にみかんの星みたく見えて、柑橘の匂いとともにうっとり。
飲み比べや食べ比べも、これは幸せの拷問なのではないかと思うほどの品質と量。
トークセッションでみかんの話をさせて頂いたりもして、
柑橘と、柑橘を取り巻く人、みかんのある光景に酔う。このときに初めて食べた、清見オレンジとの掛け合わせ、「サマー清見」。
房を割ったときのつぶつぶが、茅葺屋根の断面にそっくりだったり、神社の屋根さえ彷彿とさせます。
茅葺屋根の食感と、甘すぎずでも濃い食味がとてもおいしく、神聖な気持ちになります。
しかもこれがまさか近所のスーパーに売っていて、今年一番の喜びでした。愛好会のミーティングでは、周防大島の山本柑橘園さんから「みかんモニター」ということでご提供いただいた柑橘の試食会。
なんと、「名前のない柑橘」というものまで含まれていて、世界でもまだ10人食べたことがあるかないか、というものすごいみかんを頂きました。
好きというだけで、最先端に触れられるなんて、昔は考えもしなかった幸運なご縁を噛み締めました。
未知の柑橘を頂きながら、素晴らしい特性があっても、その他の形質もある高いレベル以上の満たさないと、農作物として成立しないということを学びます。
今普通に手に入って日々食べている柑橘は、本当に選び抜かれたエリート中のエリートなんだなぁと知りました。
🍊第8章 終わりの予感、河内晩柑
5月に入ると、なつみや河内晩柑が幅を利かせ始めます。
東大五月祭では、カラマンダリンと弓削剽柑を販売しました。
カラマンダリンの知名度もほぼ0に等しく、弓削瓢柑はもってのほか
でもやはり世間の人は皆みかんが好きなのでしょう、すぐに完売しました。
弓削剽柑はオブジェとしてもものすごくかわいいので、食べるのがもったいないくらい。来年はキーホルダーとして鍵につけたりしてみたいです。また、愛媛県明浜の無茶々園さんの河内晩柑をいただき、初夏の柑橘感覚が呼び覚まされました。音よし、色よし、粒感よしの3拍子揃ったうえに、味が濃く果汁が適度で皮の硬さもちょうど。この河内晩柑はどこを守らせても鉄壁です。
🍊終章 愛が深まるジューンブライド
ついに町でみかけるみかんも少なくなり、持ち歩く用のみかんも切らすように。
充実の柑橘ライフは、宇和島のつばさ農園さんの河内晩柑箱でほぼ終了です。
最後にふさわしい、抒情的な感覚を解放させる果汁感。
と思いきや、先日思いがけず和歌山県田村産、善兵衛農園さんのバレンシアオレンジをいただきました。
さわやかなのに上品でふんわりした香りと甘みがあって、和三盆のお砂糖のようなイメージ。
この機に果樹古品種園へ行き、みかんのルーツをたどったり。
気持ちが来年のみかんシーズンへ誘われました。
最近知ったジューンブライドという品種、この時期に食べてみたい。
これからまた9月まで、柑橘成分の少ない生きにくい時間が続きますが、
今年幸運にも巡り合えた柑橘関係者のみなさんとのつながりや、愛好会の活動を糧に
100%みかんジュースを飲みながら何とか過ごそうと思います。
感動的なみかんばかりに出会い、そのへんで買うみかんには満足できない体になってしまいましたが、その壁をゆうに超えるみかんを生み出してくださる生産者さんに感謝して、2016シーズンもみかんに感性を注ぎ込みます。
そして、まだまだ一部の柑橘産地にしか行けていないので、
和歌山はもちろん、北関東や関西北部など、未知の柑橘産地を訪れたいです。🍊先日、ヒルナンデスにも取り上げて頂きましたが、みかん愛好会前代表が「株式会社みかん」を立ち上げました。
みかん好きとしては何としても成し遂げたいことの数々ですので、
少しずつ手伝っていきたいと思っています。応援よろしくお願いします。
🍊柑橘記Ⅱ 2016-2017シーズン前編
昨夏。柑橘に満たされた日々を綴った柑橘記2015-2016。食べた品種は82品種。
「みかんの時期=冬」というかつての常識は何だったのかと思うほど、
春も夏も秋も多種多様な柑橘に彩られ、昨シーズンの終わりすら判然としないまま気がつけば今季も真っ盛りです。
昨夏の終わりに今シーズンの極早生みかんにまみえて以来、年内だけであまりに多くの柑橘色な出来事があったため、この柑橘記も前後編に分けることに。
2016年、8月下旬から12月の間に味わった柑橘は、72種。
おかげさまで昨季よりもかなりのハイペースです。
柑橘をつくる人たべる人、柑橘を取り巻く風景、柑橘のある場面。
2016年「いとしみかん」を記します。(伝記ほどの長編)
食べた柑橘一覧(シーズン前半) 72種・温州みかん 26品種
1.日南1号/2.徳森早生/3.岩崎早生/4.由良早生/5.YN26/6.上野/7.楠本/8.豊福/9.[肥のあかり]/10.宮川早生/11.興津早生/12.山下紅早生/13.田口早生/14.(田口枝変わり)/15.肥のあけぼの/16.小原紅早生/17.南柑20号/18.(南柑20号枝変わり)/19.向山温州/20.させぼ温州/21.普通温州/22.石地/23.大津4号/24.林温州/25.川田温州/26.青島温州
・中晩柑橘 39種27.[島みかん]/28.西南のひかり/29.ひめあかり/30.媛小春(100%ジュース)/31.ひめのつき/32.[タロッコ]/33.[黄金柑]/34.太田ポンカン/35.[吉田ポンカン]/36.[今津ポンカン]/37.三宝柑/38.[不知火(デコポン)] /39.仏手柑(ジャム) /40.[はるか]/41.はれひめ/42.[弓削剽柑]/43.[弓削剽悍の子ども①]/44.[弓削剽柑の子ども②]/45.[柑橘中間母本農6号]/46.[せとみ]/47.アンコール/48.クレメンティン/49.天草/50.南香/51.津之望/52.[津之輝]/53.[津之香]/54.[せとか]/55.紅まどんな/56.ゆーぽん/57.西之香/58.ピンクグレープフルーツ/59.スイートスプリング/60.[南津海]/61.森田ネーブル/62.ワシントンネーブル/63.[べにばえ]/64.[あすみ] /65.みはや/66.[清見オレンジ]
・香酸柑橘 6種67.橙(回生橙)/68.柚子/69.花柚子/70.ライム/71.ユーレカレモン/72.すだち.
※[🍊]は摘果みかんなど、時季外れに食べたもの。
🍊🍊🍊🍊🍊🍊🍊🍊🍊🍊🍊🍊🍊🍊🍊🍊🍊🍊🍊序章 柑橘界の明け星~日本みかんサミット~
まだ、昨季の河内晩柑が点々と残っていた8月のおわり。
東大みかん愛好会設立者の清原さんが旗を揚げ、全国から柑橘に携わる人を中心に、そうそうたる方々を集めて日本初のみかんサミットを催しました。
開催地は温州みかん発祥の地といわれる鹿児島県長島町。
温州みかんの原木を拝み倒してみたり、
外国の香りがする島みかんと邂逅したり、
初めての長島町を満喫しながら、何よりも心躍らせたのは全国の面白いみかん関係者が集結したこと。
今までそれぞれの産地や生産者の方と交流があっても、そこがつながるなんて考えもしなかったこと。
そんな中知った人同士が出あうのを目の当たりにしたり、あの産地とこの産地の柑橘が同じ器の中に収まっていたり。
夢のような光景でした。
夏なのにみかん漬けの1日半は、来し方のしがらみを乗り越えて新しいことが始まる気配を予感させ、
また今季の私を導く指針にもなりました。
全国から持ち寄られた摘果みかんを混ぜこぜにしてつくった生絞り柑橘ジュース。
各産地の自信とプライドが濃ゆく詰まった忘れられない味で2016柑橘の新年幕開け。🍊第1章 めくるめく極早生みかんちらり
サミットが終わってすぐの9月。
余熱を感じながら、おなじみ愛媛県宇和島、そして初の和歌山県は天下の有田みかんトップ産地田村をはしご。
春以来の宇和島の畑でまだ青い皮のみかんを剥くと、白いアルベドに抱かれたみかんの橙色の実が、緑一面の木の海から日の出のようにお出まし。
この、ため息がこぼれるようなしみじみとした趣のある光景。
そして、ため息がこぼれるほど、既に「おいしい」を確信する味。
みかんが主役の季節がすぐそこまで来ていることを、身体中に教えてくれました。
初上陸の和歌山県では、夏のはじめに出会った善兵衛農園井上信太郎さんのもとでみかんの摘果作業のお手伝い。
急斜面の田村の畑で冬よりも尖ったようなリモネンの香りにまとわれながら、初体験の夏の作業。
たくさんの青みかん、他のみかんの成長のために落とされてしまうみかんに向き合いました。
はじめて夏のみかん畑を見た3年前、青いみかんが土の上に沢山落ちている光景に、
もったいない!と思う気持ち、でもうつくしいな、と思う気持ちで胸がいっぱいになったものですが、畑に入って摘果をしてみて、その気持ちは強くなる一方。
「みかんなのに、青い」絨毯が畑に広がる光景を、みかんを食べる多くの人に知ってもらえたらいいなぁ、なんて思ったり。
田村滞在の終盤に連れて行っていただいた、YN26という温州みかん新品種の品評会。
一般的に、みかんを評価する際に重視されるのは糖度と酸度。
しかし、各所で試作されたYN26を20個ほど食べくらべ、実際には味の層の重なりや食感がみかんのおいしさに影響することを自分の感覚として学ぶ。🍊第2章 中身を開ければ至上のさじょう
10月。
帰京してすぐにみかん不足に苛まれます。
そんな時こそみかんをいつにも増してじっくり味わう良い機会。
昨季の「みかんを剥く音」に引き続き、わたしの今季注目ポイントは「さじょう」(果肉のつぶつぶ)です。
かつて、おぼこなみかん好きだったころはみかんを果肉一房単位で考えていました。
けれど、みかんの食感、味の層を生み出しているのはさじょうの諸条件(かたち、浸透圧や連なり、水分量)に他ならないことに気付いたこのごろ。
たとえば、10月はじめに送っていただいた、善兵衛農園摘果みかんオールスターズとNinofarm極早生みかん。
善兵衛農園さんの摘果みかんオールスターズは由良早生、清見、橙、三宝柑。
形状の違いは言うまでもなく、さじょうを太陽に透かしてみたときの透過度や密度、並び方。
品種ごとに全て異なります。
この中で好きなタイプは強さと優しさを兼ね備えた三宝柑のさじょうです。
Ninofarmさんの極早生みかんは、果汁が染み出づるさじょうでありながら、内側にも果汁の濃い部分が保持されている。
その超絶のバランスがほどける食感と骨まで沁みる味を生み出しているのでしょうか。
さじょう学はまだまだ深いです。
いろいろなおいしさの宇宙に旅発ったこの時期。🍊第3章 慕情を誘う焦れったみかん
10月後半、香川。
近頃は、よほどのことがない限りスーパーでみかんを買わなくなった私ですが、香川のみかんはスーパーで買っても間違いなくおいしい。
みかんの実どうしの密着度、実と外皮の距離感が絶妙なのです。
産地としての知名度がほぼないことが残念でなりません。
東京ではめったに見かけない香川みかん、どこに売っているのでしょう。
そして忘れもしない、今治でのイベントで思う存分味わった、柑橘ソムリエ愛媛のみなさんのみかん。
7人の農家さんのみかんを並べ、さじょうの浸透圧に至るまでひとつひとつ観察しながら頂きました。
品種の違いだけでなく、つくる人やつくりかたによってこれほどまで「違うみかん」に感じるということを心底、胃の底まで思い知る。
ソムリエメンバーによるハイレベルみかんたちに絆されるなか、
直観的に頭に浮かんだイメージにコトバや表現が追い付かず歯がゆさでいっぱい。
歯がゆいと言えば、久しぶりに参加したみかん愛好会の活動、みかんをひたすら学ぶ会ミッカソン。
皆が5時間柑詰めで勉強する中、おいしすぎる箸休め用みかんに気を取られてばかりで臨んだみかんクイズ。
東大のテストさながらの真剣モードで執り行われた試験は、栄養・輸出・歴史・栽培・品種・みかん愛好会、の6分野から出題され、その難易度はかなりのもの。
今まで学んだことの積み重ねではまだまだ勉強が足りないことを思い知らされました。
日々鍛錬します。🍊第5章 みかんが主食、おかずはみかん
11月中旬。愈々みかん巡りの旅に出ます。
マイ地下足袋を持ち、息せき切って1か月半ぶりの和歌山県へ。
善兵衛農園井上さんら田村のみなさんと、少し見ないうちにすっかり色づいた急斜面のみかんたちと再会し、
みかんの収穫、選果選別、箱詰めに販売まですべてを経験させていただきました。
山下紅みかんのやさしい夕焼け色に癒されながら、四方八方みかんみかんみかん!な桃源郷の3週間。
産地独自の収穫方法や、温州みかん大産地ならではのモノゴトの数々に対面し、柑橘産地の地域性に着目するおもしろさに心ときめく。
滞在中は出張もしました。
日本随一の柑橘生産法人、早和果樹園さんでは3日間のアルバイト。
地元住民であるパートの方々と一緒に作業をする中で、みかんは当たり前にあるモノ、というこれまで全くピンとこなかった感覚をはじめて身近に感じました。
本当に、信じられないことに、みかんはそこらじゅうにあるんです。
田村のご近所、ギリギリの立地差で「有田みかん産地」のブランドを外れる由良町へも訪問。
数えきれないほどの品種を作られている畑の見学もさせていただき、珍しい柑橘たちのお出迎えに呼吸と鼓動が先走ります。
1本の木で、はるみといよかんとポンカンが成るキメラにお目見えするなど、まさに夢の国。
作業の傍ら、たくさんの柑橘農家さんにお会いできたので、「理想のみかん」を聞いてまわってみました。
生産面に着目する人もいれば、販売面を強調する人、イメージや比喩を用いる人、それぞれ理想のみかん像があって興趣が尽きず。
みかんを食べる人たちにも理想のみかんを聞いてみたい。
田村を出た後は、みかん活動の原点、香川県女木島西浦地区にも赴きました。
やっぱり瀬戸内海×みかんの風景はミシュラン3🍊です。
その後は春以来の山口県周防大島へ。
「南津海」をはじめ、たくさんの品種を作られている柑橘界の神様、山本さんを訪問。
瀬戸内地域の原風景と呼べるみかん畑からの光景に助長されたみかん欲によってみかんを食べる手が止まらず。
品種天国の畑も見せていただいて、意識の中に柑橘果汁が入り込んだような心持ちでした。
昨季のスタンダードはポータブルみかんネットでしたが、旅の間はみかんの収穫カゴにみかんを入れて持ち歩いてみました。
食べた後に出た皮は、背中に背負うJAありだのキャラクター、ミカピーの口へ。
おかげさまで待ち合わせには困らず、知らない人との会話も弾みます。
みかんを媒介にしたコミュニケーション、あなどれません。🍊第5章 触って嗅いで味わって、ビジンなみかんを比べっこ
この11月は全盛期のみかん食べ比べが身のまわりで盛んに行われました。
初旬には、愛好会でみかん総量130㎏のみかんを食べる会。
極早生3種類と早生1種類。
文字通りみかんまみれになりながら、お手玉ペースでみかんを食す。
さじょう1粒だけの味、というのを確かめられました。
みんなでみかんピラミッドを作ったり、ひとりさじょうアートに勤しんだり、物体としてのみかんのすばらしさも再認識。
田村では、研究熱心なみかん農家さん松坂さんが全国から美味しいみかんを集めてくださり、そのご相伴に預かる形で食べ比べ会。
有田や和歌山県内産のみかんはもちろん、同じ机の上に愛媛県産や熊本県産の温州みかんが並んでいるこの時の光景は、いつの日か柑橘史の教科書に掲載されるでしょう。
この頃おいしいみかんに出会い過ぎて、どのみかんがおいしい、という感覚がマヒしています。
そのため、みかんのチャームポイントを見つける味わい方にシフト。
生まれ出た皮を並べて、コタツ「を」みかんにしてみたり。
今年は田村で迎えた12月3日みかんの日。
わたしが勝手に設定しているみかんで挨拶運動の日です。
お気に入りの「いただきまスイートスプリング」「ありがたいよかん」を抑え、みかんで挨拶グランプリ2016に輝いたのは、井上信太郎さん考案の「こんばんYN26」!🍊第6章 まどんなの渡せる橋をDIY
みかん巡りの旅、周防大島に引き続いては、はたまた宇和島へ。
Ninofarm二宮さんの紅まどんな。
8月にまだいとけない青い実をいただき、次に会ったのは9月の畑で。
中身をあけるとまだ実は黄色いながら、立ち上る香りと密蜜しいさじょうが既にまどんなの気品を漂わせていました。
10月にも成熟に近づいたものを送って頂いたり、成長過程を味わってきたまどんな。
滞在中に収穫に立ち会えることになりました。
たいせつに、慎重に収穫しながら二宮さんに話を聞けば、このまどんなたちは「趣味の園芸」だそうで、人に配ったあと余れば放ってしまうとか。
・・・!?
世の中の「え」が足りなくなるほどの驚きでした。
愛媛県でしか生産が認められていない紅まどんな(正式名称は愛媛果試第28号)、
都内で買えば1玉500円はザラです。
そんなまどんなを、しかも二宮さん家のこんなに美味しいまどんなを、無駄にしてしまうなんて世の中の損失に他ならない!
冗談半分、それなら私に販売させてください、と言ってみたら、とんとん拍子に話が進み本当に実現してしまいました。
助けていただきながら選別をし、まずは手始めにと、みかん愛好会メンバーに告知。
それからあっという間の数時間、二宮さんのご厚意により破格の値段で販売させて頂けたこともあって、たくさんの人から「是非買いたいです!」と連絡が。そしてすぐに完売。
自分が心から良いと思えるものを、大好きなみかんを、必要としているヒトたちに届けられることはこんなに快くって心地よいんだって、このときお腹いっぱいに知ってしまいました。
ウカレ気分で深夜まで夢中になって箱詰めし、伝票を書いて発送。
感想をもらうたび、心持ちは焼きみかんよりもホクホクでした。
食べていただけのみかんを売る日が来ようとは。
とても印象的な出来事です。
そんな宇和島では、100m走を世界記録で駆け抜けるような、3週間の濃ゆい日々。
1か月半みかん産地を巡ってみたこと聞いたこと学んだこと、心身の記憶をなぞりつつみかん巡りの集大成。
ちょうどこのとき、長年の研究により温州みかんの親が解明されたというニュースが!
周防大島の山本さんにご連絡いただき、こうして産地を巡る間に歴史的瞬間を迎えられた幸運をみかんとともに噛みしめました。🍊第7章 スゴイ中のスゴイみかんと、スゴイを通り越したみかん農家さん
昨年の柑橘記から主役級に登場しているNinofarm二宮さんは、私が勝手に人間国宝と呼んでいるくらい、カラダの芯まで「美味しい」が押し寄せるみかんを作られます。
12月、そんな方が「別格」と称するみかん農家さんにお会いする機会がありました。
食べてみて、と差し出されたのは3Lはあろうかという大玉のみかん。
一般的に考えて、大玉のみかんというと皮がふわふわ浮いて、中のじょうのう袋が分厚く固く、味が薄い、というのが普通。
けれど、頂いたみかんは、橙色に塗られたトマトなのではないかと疑ってしまうほど
皮が障子のようにうすく、濡らした紙のごとく実にしっとり張り付いていました。
触り心地もパンパン、つやっつやのすべっすべ。
持っただけでこのみかんが尋常ならざるものだということ分かりましたが、真骨頂はやはり外皮。
これだけ薄い外皮だと、ふつうはポロポロはがれて剥きにくいものです。
しかし、このみかんはそれこそ湯むきトマトのようにつるん、と破けることなく剥けます。
本当にみかんなのか、疑惑を増しながら一口食べてみると、濃くも上品な旨味と「みかんの香り」が思考までもを包み込むような感覚。
これが大玉みかんだということは忘却の彼方へ。
お話をうかがうと、「今年のみかんは全然自信がない」とのこと。。。
なんだか私は、みかん好きとして大往生を遂げた、と思ってしまいました。
一昨年より、柑橘界の神様から人間国宝、王子、日本代表、、、などなどスゴイ人たちとの出会いに恵まれ、さらに追い打ちをかけるようなこの農家さんとの出会いは、本当に「もうみかんはいいや!」ってなるくらい。(3秒でもとに戻りました)
もし日本中のみかんがすべて、このスゴイ人たちがつくるみかんと同じレベルになったらどんな世界になるのだろうか。
柑橘ソムリエのみなさんと総勢31種のおいしすぎるみかん食べ比べも実施。
品評会のようにずらーっと並べ、前も後ろも左も右もみかんだらけ。極楽浄土でした。
ここまで美味しすぎるみかんたちが揃うと平衡感覚が危うい。
そんななか、みかんというものは、産地の特色や作り方の特色が、見た目から香りから果汁から食味まで、直に投影される物体なのだということを知覚し、ますますみかんの深みにはまりこんでいます。🍊終章 ゆくみかんくるみかん
宇和島から帰った年末。
田村の色でいっぱいの林温州と、宇和島の残り香を漂わせた南柑20号・中晩柑類をおくっていいただき、師走みかんラストスパート。
先走って頂いた黄金柑とはるか。チームキイロみかん、早くも至極の味わいです。
おかげさまでペースを崩すことなく、みかん感覚が鈍ることなく年末までみかんづくし。
本格的に極早生みかんを食べ始めたその日から12月31日まで、1日も欠かすことなくみかんを食べ続けた2016年。
産地に長くいたせいか、例年に増して体の黄色さが尋常じゃありません。
みかん鯛、みかん鰤に続くみかん人間として胸を張って日々みかんを食べようと思います。
それぞれ計1か月ずつ滞在した田村、宇和島をはじめ数カ所の産地に行くことができ、みかんの品種や多くの「味」を知れたのはもちろんのこと、栽培法や流通の流れ、産業としてのみかんまで、はじめからおわりまで幅広く学べました。
そして、それほど多くの柑橘関係者に出会えたことは、みかんを毎日食べていたことよりも重大なこと。これ以上ない財産です。
一方で、生産地に赴きすぎて、消費者サイドの活動がほとんどできなかった点を省みています。
産地で見聞きしたことは、みかんを手に取る一般の人に知ってほしいことばかり。
2017年は、取り込んだみかん産地の風を外に開放するようなことができればいいな、と漠然と考え中です。
年明けからは中晩柑の楽園がじょじょに垣間見え、脳内のみかん色は急加速しています。
もっともっとたくさんの品種に出会ってみかんの奥深くまで知りたい気持ちが抑えきれません。
今季も7月までめいっぱい柑橘にまみれます!