339)宇和島水産高校と地元企業が共同開発 その意味

ウィークリーえひめリック。7月13日(特別号)は、ご当地カレー調査隊が行く。
そういう内容だったようです。
注目したいのはその中身です。このあとの画像をご覧ください。

宇和島の友人が送ってくれた写真なのですが、注目すべき部分を次に貼り付けました。
焦点がボケてます。送ってくれた友人はカメラがわるいと言っています(私は腕だと思いますけどね…)。
大切なことが書かれているように思います。
そういうわけで記事を書き起こしてみます。

【宇和島水産高と地元企業が共同開発】
昨夏、宇和島水産高校3年生・松本唯さんほか2人が、課題研究として「鯛媛カレー」を考案。
かまぼこなどを製造販売する島原本舗(宇和島市)も共同で仕入れや原価計算、商品化などに関わり、松山空港での限定販売にこぎ着けました。
松本さんは「県魚をPRしたかった。魚の臭みを消し、風味やうま味を残すのが難しかったです」と振り返ります。
「試作と大量製造では味わいが異なり苦労しましたが、高校生の発想に関心しました」と島原本舗・島原豊行社長。
現在、水産加工販売会社「宇和島プロジェクト」に勤める松本さんは「たくさんの人に食べてほしいです」と本格的な商品化に期待を寄せています。

その下の「カレーNEWS」のコーナー。吹き出しにはこうあります。

\現役の水産高生たちと島原社長が試食を重ねて改良。/

そして…

8月上旬に「鯛媛カレー」発売予定。
島原本舗の販売店で販売します。

とあります。
これはちょっと楽しみですね。

それはそれとして、今回、この記事を取り上げてみたいと思ったのは次のような理由です。

今回の記事では…
宇和島水産高の元フィッシュガールの一人、松本唯さん。
それと、島原豊行社長の島原本舗と、木和田権一社長の宇和島プロジェクトとの繋がりが見えてきました。

「鯛媛カレー」の商品開発は島原社長が支えていました。
その内容は単に「高校生が鯛を使った商品開発をしました」という表面的なものではありません。その取り組みと背景にあるものは、かなり奥が深いです。
「アクティブ・ラーニング」
「起業家教育」
「キャリア教育」
「コミュニティ・スクール」
こういった「キーワード」が深く関係してきます。
詳細はこちらをご覧ください。
225)宇和島水産高の「鯛媛カレー」 愛媛新聞の2つの記事に「愛」を感じた

もともと、宇和島水産高のフィッシュガールの名を全国、いや海外にも知らしめた取り組みは、まぐろの解体ショーでした。

そのきっかけを作った生産者さんがいます。
解体ショーの練習を陰で支えた水産業者さんもいます。
ここでは具体的な名前は出しませんが、地域の地場産業と地元水産高校の連携・協力関係があったこと、加えて「愛育フィッシュ」のPR活動には県も関わっていること、多くの地域の方々が関わっているのですね。

宇和島水産高校の人材育成と「地域活動」、それを支える地域の方たち、そうした学校と地域の関係性によって成立する地域ぐるみの教育(地域の担い手の育成)ということだと思います。

少し長くなりますが、ぜひ、次の記事もご覧いただきたいと思います。
地域ぐるみの人材育成が、地域に何をもたらすのかを実感できます。

168)宇和島水産高 鈴木先生(愛媛新聞「伊予弁」土曜日の筆者)

169)地域活動 宇和島水産高 鈴木先生(愛媛新聞「伊予弁」第2回)

175)生徒の頑張りが連鎖する 宇和島水産高 鈴木先生(愛媛新聞「伊予弁」第3回)

176)園児が高校生を育成する 宇和島水産高 鈴木先生(愛媛新聞「伊予弁」第4回)

157)宇和島水産高フィッシュガールの活躍の背景(教育とその可能性)(愛媛新聞「伊予弁」第5回、第6回)

177)【速報】最終回 地域とともに歩む水産教育を目指して 宇和島水産高 鈴木先生(愛媛新聞「伊予弁」)

最後に、こういう活動を続けてきた、元フィッシュガールの松本唯さんが、現在勤めているのは、木和田権一社長率いる「宇和島プロジェクト」なのですね。
地域の産業と地域の担い手の育成がしっかりと繋がっていることがわかります。

少し前の投稿になりますが「宇和島プロジェクト」はこんな地元企業です。

332)成長都市へ拠点着々 宇和島プロジェクトも!(シンガポールへ)

今回の結論としては…
学校と地域の産業が一体となって新しい価値の創造などを行い、そうした学校と地域が一体となった取り組みを通じて(地域や地域の大人との関わりを通じて)、地域への志のある担い手を育成し、そうした人材を地域の産業が受け入れて、次世代による地域の発展に期待をつなぐ。

これから望まれる、理想的モデルの一つがここにあるんじゃないかと…。
そういうモデルの存在とその意味を多くの人が共感できる機会をつくり、考え方と実行の価値を共有することはできるのではないかと…。
これはきっと他の分野にも応用可能ですね。

学校、地域、保護者の一体化。
「地域とともにある学校」
これからも注視していきます。

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