275)宇和島市創業サポートスクール終了(宇和島奥南エンゲージメント・渡部さんの報告)

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今回取り上げたいのは、宇和島市創業サポートスクールのことです。
「宇和島奥南エンゲージメント」の渡部さん(地域おこし協力隊)が、卒業報告の記事をアップされています。

『宇和島の恵まれた豊富な産物を活かした起業』
ぜひご覧いただきたい内容です。
ポスターの画像の次に渡部さんの報告の全文を紹介します。(太字は私の施しです。)

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《宇和島市創業サポートスクール卒業》
《起業推進都市 宇和島市である理由》

今日は長文です。心してどうぞ(笑)

10月から始まりました夜学のセミナー、宇和島市商工観光課主催の『宇和島市創業サポートスクール』が無事終了となりました。

30名近い受講生は宇和島育ちの方だけでなく、むしろ私のようなヨソモノ(移住者)やUターンも多く、殆どの受講生が

『宇和島の恵まれた豊富な産物を活かした起業』

ここにターゲットを定めて学びに訪れていました。
宇和島の名産である真珠のデザイナー、
宇和島の素材でケーキ屋さん開業を目指すパティシェ、
宇和島に豊富に残る里山で本物の蜂蜜を届けたい養蜂家、
多く残る古民家を現代にリノベして田園生活を提唱する建築プレゼンター、
豊富な海の幸で無添加の練り物を都市部へ発信するじゃこ天屋さん、
そして宇和島産の柑橘で作ったジュースを届けたい柑橘農家、

ここで受講したような起業・事業経営を目指す方々を宇和島市は支えようと動き出したのです。
卒業後も宇和島市が率先して受講者をパーソナルにサポートし、地元商工会議所や商工会へのアプローチ、企業に必要な融資・補助を支援する支援団体や銀行への橋渡し、経済産業省が推進する創業支援への中継など、多岐に渡り起業希望者・経営者をサポートしていきます。

今回3ヶ月に渡り中心的に講義を進めてきた竹谷先生は京大出身の経営コンサルタントで、自らがプロフェッショナル営業マンの経験を活かし、事業経営のノウハウやテクニックを教えることは勿論ですが、

『理念経営』を重点に、
『利益追求型事業の推進』ではなく、
『利他精神追求型事業の提唱』を全ての回で重点的にアドバイスを行ってきました。

利他精神とは、利他主義に似た理論ですが、利他主義とすると利己主義の対義語で『自分の利益を人々の利益として奉仕する』ということになりますが、利他精神は天台宗比叡山開祖の最澄が提唱した『自らの行いが自らの為になるだけでなく、人々や地域のためにも大きな力となりうる考え』というもので、簡単に言えば、

『人々や地域に笑顔を与える事業』を行うための人財を育てることを重点にしているわけです。

今回の創業サポートスクールをプロデュースしたオフィスエムズプロジェクトの西村さんは大手メディアを経験した後に地域振興策のプロジェクトに参画し、最近だと松山市の銀天街商店街から生まれたご当地アイドルの『ひめきゅんフルーツ缶』をプロデュースした立役者です。

ではなぜ宇和島市は起業や新規創業を推すかと言えば、単に地域振興や地域経済活性化や税収入を押し上げるという意味ではありません。
先日も商工観光課の方々とお話しする機会がありましたが、大きな指針は

『宇和島での暮らしを楽しむための事業』
『宇和島の地から生み出す豊富且つ高品質な産物の活用』
『宇和島の貴重な自然環境を最大に活かす』

これらのコンテンツに自信と誇りを持たせる『人財』を作り出すことが地方創生の大きな付箋となると考えているのです。

私自身も20代から小さな事業を営み、様々な職業環境を経験して、今こうして宇和島に辿りつきました。

なぜ宇和島に辿りついたかは前述していますが、大きな起因には市役所のみならず、地域に方の『積極的に学び起こす人材を求めている姿勢』にありました。

今自治体も動きだしました。まだまだ自治体と地域住民との乖離はあるかもしれませんし、少子高齢化を食い止めることは出来ません。

しかしながら都市部との大きな違い

『貴重なる自然環境と宝の山とも呼べる豊富な産品』
これらを守り提供する力が宇和島には秘められています。
コンクリートジャングルと化した都市部のニュータウンはいずれ必ずオールドタウンになり、限界集落ならぬ『限界都市(私の造語ですが)』が生まれゆくと考えています。

確かに宇和島市は財政難です。少子高齢化が大変です(苦笑)

ただ、確実なことが言えます。

『呼吸する酸素を作り出す自然が豊富』
『生きるために食べる産物が豊富』
『人と生きるコミュニケーションが豊富』
この三宝に恵まれた田舎都市が宇和島市なのです。

私は地域おこし協力隊の一員です。
総務省から各市町村に委嘱され、様々な地方創生を探る実験台(笑)とも呼べる我々ですが、
多くの協力隊員が地方から起業を果たしています。

ただ、潰れる事業も現実にはあります。
それは官民一体が実現できていない典型です。

宇和島市も完璧な官民一体ではありません。ですが、職員一人一人とお話ししたり、こういうスクール主催を自らが経験してきて、そのマンパワーが少しずつ大きな歯車として動き出しているなと実感しています。

自分自身官民の中間的立場として、公務員と事業者の二面性を持って客観的に宇和島市を見つめ尽力したいと考えています。
箱物を建てることだけが地域振興ではありません。
補助金を貰ったり振興券の活用だけが地域活性化ではありません。

『地域のために人のために支える事業』を生み育て成長する『土』が豊富に存在する土地、それが宇和島だと思うとワクワクしませんか?(笑)

それを実現成功する若者が増えれば、
きっと全国にも類を見ない
『幸せな田園都市』になると考えています。
『起業推進都市』である理由はここにあると。

長文失礼致しました。
これを打ち込んだり修正したりで午前0時から今までかかってしまいました(苦笑)
9時間半没頭するのもいかがなものか(笑)
あと何故ファイティングポーズだったのか、それは『これからやったるけん!』という意思表示です(笑)
また、写真を見て自分が滅茶苦茶なオールバックに(慌てて着替えたことバレバレ)ショック_| ̄|○
そして昨日は終日、奥谷農園で早生みかんの収穫を行ってから本庁のサポートスクールに参加しました。珍しく携帯の電池切れで半日電源オフだったため写真が一切ございません、すいません(;^_^A

『宇和島の恵まれた豊富な産物を活かした起業』
これらのコンテンツに自信と誇りを持たせる『人財』を作り出すことが地方創生の大きな布石になる
こうしたことを語られています。

今回、なぜ渡部さんの報告をご紹介したかったかというと、以前の記事で取り上げたこととも、しっかり嚙み合った内容になっているからです。
渡部さんが指摘しているように、宇和島市も動き出した感があります。

こちらの記事をご覧ください。

219)キャリア教育による地域の活性化で、次のことを書きました。
様々な取り組みが、少しずつ方向性が重なりつつあるように感じます。

「将来の宇和島を担う人材の育成」のための機能のメインは次の3つ。
1 愛郷心を育むこと
2 縦横の絆を強めること
3 仕事を教えること(ざっくばらんに言うと「稼ぐ」ノウハウを教えること)

「稼ぐ」仕事を教えるという意味で、おそらく重要になるであろう取り組みは、「キャリア教育」と「起業家教育」です。
愛郷心はその動機として大切ですし、南予・宇和島では6次産業化も欠かせない取り組みになると思います。

宇和島には以前から次のような素晴らしい取り組みが行われています。
例えば…
・宇和島シゴト人バスツアー
・うわじま子ども観光大使
・元気うわじまサポートバンク
・アグリスクール
・中学校の職場体験学習
・水産高の地域活動
・東高のスーパー・サイエンス・ハイスクール
・南校のスーパー・グローバル・ハイスクール
・カタリバ
・ようこそ先輩
・インターン
・地域起こし協力隊
などなど…、他にもたくさんあります。

少し惜しいなぁと感じるのは、それぞれが、それぞれに、ばらばらに取り組んでいる感が拭えないこと。これらの取り組みがつながって連携しだすと強力なパワーを発揮します。
連携に不可欠な「つながり」が、既に、重層的に存在している。ここが宇和島の強みです。(都市部にこの機能はありません。)

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