237)「商品を売るのではなく物語を売りたい・・・・」企業組合津島あぐり工房【いよココロザシ大学】

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「あすも」は山下由美さんが代表理事をつとめる宇和島市津島の企業組合です。

きのう・きょう・そして「あすも」…。

このフレーズを聞いただけでも、何かぐっとくるものがありませんか?
私は一度だけ山下さんとお会いしてお話しをさせていただいたことがあるのですが…、どう言えばいいのでしょうか。「志」を感じさせてくれる素敵な方でした。

さて、本日(9月26日)の愛媛新聞の記事です。
「魅力ある6次産品は?」
「消費者と生産者 意見交換」とあります。
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9月25日、県内の6次産業化商品を集めたショップ「愛顔(えがお)の食卓」を運営するNPO法人「いよココロザシ大学」が消費者と生産者が商品について意見交換する授業イベントを開いたという記事です。今回を皮切りに年度内に14回開く予定とあります。
そのトップバッターとして「企業組合津島あぐり工房」の山下さんが「地域の伝統の味を残したい」と商品へのこだわりなどを説明したという記事です。
そして、愛媛大3年の仙波朱梨さん(20)は「商品のちょっとしたこだわりに、ふるさとの味が詰まっていることを知った」と関心を深めた様子だった、とあります。

「ちょっとしたこだわり」

ここにポイントがあるように感じます。
このことについて、「いよココロザシ大学 学長日記」には次のような記述があります。

そんな愛顔の食卓で、生産者をお招きした授業を始めました。第一弾は「あぐり工房」さん。パワフルな代表、山下由美さんを迎えての授業は「物語そのもの」。農家の嫁として嫁いだ21歳から、凸凹しながら農家女性の自立を加工食品に見出し、やってみると手ごたえがあったものの、次段階へ進むために志を共にした女性と出資し合い企業組合法人化。慣れぬ経営や商品開発の傍でハンディを持つ方や高齢者の雇用創出に励む。そして「デザインの力」で販売力が変わったことなど、学び所満載でした。

詳しくは次のリンクをご覧ください。
https://1455634.blogspot.jp/2016/09/blog-post_26.html

このことを山下さんはご自身のFBの記事で次のようにつづられています。
注目したいのはこの記述です。

生産者さんの商品に対する思いを知ることで
モノを売るのではなくコトを売りたい。
との学長を始めスタッフの皆さんのお気持ちがすごく嬉しかったのです。

そして、この記事に対して、次のようにコメントされている方がいらっしゃいました。

これまでの歩みや思いの数々を聴いて、涙ぐんじゃいました、、(/ _ ; )
みんなに伝えたい物語がたくさん✨あすもは愛媛の宝だっ(≧∇≦)

「モノを売るのではなくコトを売りたい。」ここですね。
ここ。ものすごく大事だと思います。


こちらは、企業組合津島あぐり工房「あすも」のフェイスブックページです。

ヒット商品「元気もん」の話が出てきます。
上のFBのリンクにも写真が掲載されています。
私も頂いたことがあります。まちがいなく美味しいです。
本当に美味しいです。ですが…、「モノ」としては要するに「煎り豆」です。

大切なのは…、ファンになってしまう理由は…、「コト(物語)」なんですね。

「あすも」のホームページ。
そのトップページをスクロールすると下の方に「私たちの考え」として次のようにあります。

平成15年5月。はじまりは「あぐり工房」と書いた小さな看板。そしてたくさんの方々の声援と労働力をいただいて立ち上げた工房でした。

愛媛県宇和島市津島町。

東半分が山間地。西半分がリアス式海岸で、平地は岩松川とその支流に沿ってわずかに開ける自然豊かな大地が、私たちのものがたりの舞台です。
当時、子育て真最中の私たちの話題はいつも「食」。
農家女性として「作る食事」から「買う食事」へと時代が変化している事に危機感を感じていました。
「次世代に伝統の味を残したい」。そして「農家女性として『経済的自立』をしたい」。
私たちは「食」と「農」に関心のある農家女性4人で大きな目標を掲げ、農業の副業として活動をスタートさせたのです。

『食農教育』。
手間暇かけて作る食事こそが、子どもの心を豊かにし、子どもを成長させます。
ふるさとを離れても思い出す「家庭の味」「ふるさとの味」を残さなければならない。
その責任が「食」を生み出す「農」に携わる私たちにはあるのです。
平成21年4月、食文化が変化してもやはりお米を食べてもらいたいとの強い思いで、
JAえひめ南『手作りパン工房みなみ』で米粉のパン専門店の立ち上げから製造販売にまで携わります。
私たちは、「夢」を持ち、目標を掲げ、ひとつひとつクリアして来ました。

そして平成24年8月、これまで法人格を持たずに活動してきた農産加工施設を「企業組合津島あぐり工房」として再出発させ、
その事業のひとつとして、カフェ部門、「あすも」をオープンさせました。
「あすも」には「昔ながらの生活習慣や食文化を取り戻しませんか。良いものは残していきませんか。明日も一歩一歩私たちと」
と言う思いを込めました。
また「地域再生」を掲げ、地域で頑張っている人たちが沢山います。
その沢山の点を、線で繋げ、面にする役割を担える存在になりたいと考えています。
地域の皆さんに愛され、親しまれる企業を目指し、きのう・きょう・あすも、1歩1歩進んでいきたいと考えています。

「元気もん」はただの煎り豆ではありません。あすもの方々の思い(物語)が詰まったそういう「コトを背景としたモノ」なのですね。
そして私たちは、その「コト」のほうにこそ価値意味を感じ、共感し、そして応援したくなる。そういうことなのだと思いました。

あすもの「ブログ」も是非ごらんになってください。
伝わってくるものがあります。
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山下さんのFacebookはこちらです。
こういう方々が頑張ってくださっている宇和島にはやはり希望があると思います。

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