234)「こもぶちの海から学ぶ」 SO-EN こもねっと この取り組みの可能性

この取り組みには大きな可能性を感じます。
今回は、その理由を考えてみたいと思います。

開催は、10月16日(日)。申し込み締め切りは、9月30日(金)です。
小学校4年生~6年生のお母さんは必見かもしれないです。

%e3%81%93%e3%82%82%e3%81%b6%e3%81%a1%e3%81%ae%e6%b5%b7%e3%81%8b%e3%82%89%e5%ad%a6%e3%81%b6

%e6%a6%82%e8%a6%81

「こもぶちの海から学ぶ」体験型環境学習会の開催が決定しました!!

この取り組みの素晴らしさは、ひとことで言えば次のように表現できると思います。

「地域の課題(それは地域のみならず国や全世界共通の課題でもある)について、大人から子どもまで世代を越えて共有し、継承し、そして解決に向けた持続的な活動を地域が一体となって起こしていく。そういう取り組みだといこと。」

この取り組みの【概要】の説明を分解して確認してみます。
① 宇和島地域の主産業の源である「海」を教材としている
② 体験型の学習会である。(教室での黒板による講義ではない)
③ 「まなぶ」「おこなう」「かんがえる」「はなす」の項目で構成
受け身ではなく主体的にならざるを得ない構成。最後はアウトプットも組み込まれている。つまり、いわゆるアクティブ・ラーニングの実践になっている)
④ 宇和島環境教育推進協議会が監修している。(一部の人のひとりよがりではない)
⑤ 宇和島水産高等学校、宇和島南中等教育学校が講師である。
(企画は大人の団体が仕込むとしても、「次世代」の地域の担い手が講師を務める。「教えることを通じてさらに理解を深める」この意味や効果は大きいと思います。)
⑥ 学び手は、小学校4年生~6年生である。(「次々世代」につなぐ
⑦ ⑤⑥によって連綿とした活動となる。(そこを目指す)

今、どこの地方都市においても地域の主産業の後継者不足の問題が、事業者の高齢化の進展に伴って顕在化しています。宇和島も例外ではありません。
地域の子どもたちはこうした地域の問題や課題を身をもって知る機会も少ないまま高校を卒業すると同時に半数が地域外に出て行ってしまいます。そしてほとんど戻ってきません。

地域の素晴らしさと、その地域が抱える課題を、世代を越えた直接の関わり・交流の実体験を通じて認識していく。そのことについての考えを深め、まとめ、発信していく。
そういう仕掛けなのだと思います。

主催者は、宇和島環境教育推進協議会となっています。残念ながら私はこの協議会のメンバーや活動の内容について詳しくありません。

共催は、NPO法人SO-ENとなっています。
SO-ENのサイトの「SO-ENとは」のページに次のような記述があります。

NPO SOEN
智の集積や人材の交流・連携を図る場を宇和島市の地域活性化のプラットフォームとして、市民全体で議論やフィールドワーク、それぞれが得意とする分野での様々な企画を実行し、地域資源を掘り起こして活用していくことで、既に動き始めた木屋旅館を起点とした宇和島地区全域の再生、広い意味での宇和島ブランドの再構築を目指していきたいと思います。
場を創り、人をつなげ、地域を再生させる。SO-ENという名前に、創縁、創円など、様々な想いを託し、宇和島地域の活性化を目指して活動をしていくものです。

「場を創り、人をつなげ、地域を再生させる。」

「こもぶちの海から学ぶ」このイベントはまさにそうした活動になっていると思いました。
この取り組みは昨年から始まったようです。
「こもぶろぐ」に次のような記事があります。

楽しく学ぼう!!海からはじめる環境学(講師養成塾)

10月31日(土)及び11月7日(土)に開催予定の「楽しく学ぼう!!海からはじめる環境学」(主催:宇和島環境教育推進協議会)の講師養成塾が「こもてらす」にて行われました。
この事業は、持続可能な社会の構築のため、環境教育の推進することで「低炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」を実現することのできる人材の育成を目的しています。
小学校4~6年生に対して、「海」をキーワードに環境について、楽しく学んでもらいます。しかも、講師は高校生!!
今日は第1回の講師となる「宇和島水産高校」精鋭8名に講師養成塾に参加してもらいました!

昨年の第1回から「宇和島水産高校」が参画していることがわかります。

ちなみに「SO-EN」さんは次のような取り組みも行っています。今回とりあげた取り組みと相互に関係しているように思います。

愛媛南予環境シンポジウム

第1回 2015.2.14

%e7%ac%ac1%e5%9b%9e%e6%84%9b%e5%aa%9b%e5%8d%97%e4%ba%88%e7%92%b0%e5%a2%83%e3%82%b7%e3%83%b3%e3%83%9d%e3%82%b8%e3%82%a6%e3%83%a040

参加して発表した宇和島水産高校 水産増殖科のブログに次の記事があります。
素晴らしい機会となったようです。主催者「SO-EN」さんにも感謝の言葉がつづられています。

2/14(土)に宇和島市総合福祉センターで開催された愛媛南予環境シンポジウムに宇和島水産高校も参加させていただきました。
パネリストの畠山信氏、八幡暁氏による基調講演は、海の環境や命の大切さについて学ぶ宇和島水産高校生にとっても、大変素晴らしい内容でした。
また、本校生徒による環境保全活動についての口頭発表や、ポスター発表を行いました。
このような発表の機会を与えてくださった主催者のNPO法人SO-EN様に厚く御礼申し上げます。
参加した生徒の皆さん、今回学んだことを今後に生かしてください

第2回 2016.2.14

%e7%ac%ac2%e5%9b%9e%e6%84%9b%e5%aa%9b%e5%8d%97%e4%ba%88%e7%92%b0%e5%a2%83%e3%82%b7%e3%83%b3%e3%83%9d%e3%82%b8%e3%82%a6%e3%83%a080

第2回のシンポジウムにも宇和島水産高校は参加しています。
小学生への環境教育の取り組みについて発表しているようです。
宇和島水産高校 水産増殖科のブログに次のようにあります。
「SO-EN」さんが「場を創り、人をつなげ、地域を再生させる」ことに大きな役割を果たしていることがうかがえます。

2月14日(日)に開催された第2回愛媛南予環境シンポジウムで水産増殖科の2年生が発表しました。
森・里・海・食に関する宇和島水産高校での取り組みやESDの観点から小学生への環境教育の取り組みについて発表しました。
発表を担当した水産増殖科2年生の4名は、この日のために放課後や土曜日も発表練習に取り組み、本番も堂々と発表することが出来ました。
発表の機会を与えてくださったシンポジウム主催者のNPO法人SO-EN様をはじめ、関係各位の皆様に厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。

第2回シンポジウムには宇和島南中等教育学校も参加、発表しているようです。
次のリンク先では臨場感あふれる写真もみることができます。

「第2回愛媛南予環境シンポジウムで本校4年生が発表」平成28年2月14日(日)

4年生3名が、特定非営利活動法人SO-EN・宇和島環境教育推進協議会主催の「第2回愛媛南予環境シンポジウム」に参加し、環境教育に関する活動発表をしました。10分程度の短い時間でしたが、一般の方々も参加されているシンポジウムで、堂々と発表することができました。質疑応答にも落ち着いて対応していました。また、宇和島水産高校の生徒による専門性の高い発表を聞いて、刺激を受けたようです。二つの楽しい基調講演も聞くことができ、とても良い経験となりました。これからの宇和島を守るために、自分たちにできることは何なのか、改めて考えさせられる一日となりました。

冒頭で、この取り組みの素晴らしさと可能性について次のように書きました。

「地域の課題(それは地域のみならず国や全世界共通の課題でもある)について、大人から子どもまで世代を越えて共有し、継承し、そして解決に向けた持続的な活動を地域が一体となって起こしていく。そういう取り組みだといこと。」

こうした取り組みが、志ある民間団体「民」が主導して、それに地域を支える産業「産」、市や教育委員会といった「官」、高校や小学校等の「学」が連携していく、「世代を越えた持続可能な取り組みの形」を作っている。ここに大きな価値があり、可能性があるように思います。
なぜなら、「環境」課題のみならず、「介護」や「出会い・結婚・出産・育児」の課題。「6次産業化」の課題などなど地域の活性化にかかる様々な課題はいずれも「世代を越えた持続可能な取り組みの形」が必要なわけですが、宇和島にはその形が既にあるということだからです。
いろんな課題への取り組みに水平展開できたら、可能性が広がるように感じます。

次回は、これらの取り組みに大きな役割を果たしているように見える「こもねっと」について見ていきたいと思います。

フォローする