158)宇和島は活性化するか? 「地方は活性化するか否か」

ちかすい 0表裏表紙

少し前から話題になっているこのマンガ。考えさせられます。
作者の「こばやし たけし」さんは、「はじめに」で次のように記述しています。

「地域活性化」「地方創生」「地域おこし」「地域再生」「消滅可能性都市」…。
こうした言葉を、最近よくニュースや新聞、ネット等で見聞きすることが多くなりました。そして、地方に住む人たちや地方出身者はこうした言葉を聞くたびに、

「地方は今どうなっているの?これからどうなるの?」

といった「漠然とした不安」にかられているのが現状だと思います。
この作品は、日本のどこにでもあるような平均的な架空の地方都市「みのり市」を舞台に、未来を担うであろう女子高校生たちが、自分たちの住んでいる地域の現状を知っていくことを通じて、

「地方はどうあるべきか?」

というテーマに正面から向き合い、手探りながらも自分たちができることを見つけ、ひとつひとつ取り組んでいくという物語です。
自分の住む地域を知ろうとすることこそが、地域活性化への大きな第一歩です。このマンガをきっかけに、「自分の住んでいる地域」「自分が生まれ育った地域」について、改めて思いを馳せていただければ嬉しいです。

「自分の住んでいる宇和島」「自分が生まれ育った宇和島」
自分の住む宇和島を知ろうとすることが、宇和島活性化の第一歩。
宇和島の問題に正面から向き合う。自分たちができることを見つけ、ひとつひとつ取り組んでいく。

宇和島の高校生、中学生にも是非読んで欲しいと思いました。もちろん大人も…。その理由は後半に記述します。

ストーリーは「本編に入る前に…『ごあいさつ』」というページから始まります。
主人公のこんな語りが出てきます。

ということで
私たちが暮らす地方都市「みのり市」についてご紹介しまーす

えーと
「みのり市」は…、海に面し、三方は山に囲まれ…
四季がはっきりしていて、自然の魅力あふれる、立地環境にあります

「少子高齢化」「若年層の流出」「労働人口の減少」「市街地の空洞化」
などなど、いろんな問題をごっそり抱えてるんだよねー

みのり市。なんだか宇和島そっくりな状況設定です。

ちかすい 4本編に入る前に

そして第一話は、冒頭このようにはじまります。

ちかすい 5第一話冒頭1
ちかすい 6第一話冒頭2

私たちの住んでいる宇和島って、今どうなってるのかなー?
そして、これからこの先、どうなっていくのかなぁー?

日ごろの生活の中で、こんなことを考えたことのある高校生が、宇和島にはどれだけいるでしょうか?それほど多くはないかもしれません。(ちなみに前回(157)の宇和島水産高校のフィッシュガールはそういう問題認識を持ち、地域と関わり、地域を発信している生徒さんたちでした。)

実は、宇和島の大人だって、宇和島の現状、宇和島の今後について、根拠をもって話せる人はそれほどいないかもしれません。

このストーリーのおしまいの部分も紹介しておきます。

ちかすい 7第十章終盤1
ちかすい 8第十章終盤2

成長した主人公が自分の考えを主張しています。その成長の陰には先生はじめ大人たち自身の気付きや、支援がありました。宇和島の高校生がこのようなことを言い出すようになるとすごいことになりそうですね。

そこに住む ひとりひとりが 関心をもって「考えること」と
「動く」ことで よい方向へと変わっていく可能性はあると思います。

「誰かがやってくれる」とか 「みんなで足並みを揃えて」とかじゃなくて

「人任せ」にしないで自分ができそうな…
やれることをまず やってみることが
「地方の活性化」には いちばん大事なことなのではないかと思っています

「地方は活性化するか否か」

それは…
そこに住むひとりひとり次第なんだと思います!

今、地域を仕切って方向づけているのは、地域の50代、60代(もしかした70代も)の大人たちです。これから10年、20年の時間をかけて宇和島は確実に変化していきます。その変化の内容は人口減少・少子高齢化の進展です。
10年後、20年後に、地域をリードしているのは現在の30代、40代でしょう。そしてもしその時、宇和島が活性化しているとしたらその原動力は現在の10代、20代のはずです。
したがって、10年後、20年後の宇和島がどうなっているかは、今、大人たちが若者にどのような働きかけをするのかということに、大きく左右されると思います。
何を伝えたらいいでしょうか? 現状、伝える仕組みや取り組みはあるでしょうか?

次回以降、このあたりも考えていきます。

【おまけ】
コラム等は見ることができませんがマンガはネット上に公開されています。

「地方は活性化するか否か」
「地方創生」や「地域活性化」をテーマとした4コママンガです。
疲弊する地方都市「みのり市」を舞台に、「みのり高校地域活性研究部」が地域活性化を目指し、日々奮闘するストーリー4コマです。

「ちかすい」が、とある高校の「授業テキスト」に!?
岡山県のある高校ではマンガ「地方は活性化するか否か」が授業で活用されているようです。

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