221)宇和島大作戦の意味と価値がわかった気がする(キャリア教育を活用した地方創生)

【宇和島大作戦】
それは、蒋渕(こもぶち)の高木ハジメさん御槙(みまき)の渡邊誠さん石応(こくぼ)の二宮新治さん奥南(おくな)の奥谷 篤巳さんが中心になって展開している作戦です。
その意味と価値がわかったような気がしました。

林田 暢明(はやしだ・のぶあき)さんの記事を紹介します。
(ほぼそのままコピペです…。汗)

ポイントはここだと思います。

地方の文化を肌で感じる学びの要素と、職業体験を通してこれまでの生き方を振り返り、今後のキャリア形成に資する可能性、そして旅を組み合わせて、スタディ・キャリアツーリズムと呼べるもの…

地方創生の現場から アイキャッチ

第五回:キャリア教育を活用した地方創生

▼若者が地方を訪れる意義
わたし自身、福岡市でカフェを経営していることもあり、よく地域コミュニティをカフェに例えて話をします。いまの地方は、何十年と、経営を続けてきた老舗の喫茶店、と思ってください。常連客がしっかりとついていて、経営的には安定しているようにみえても、このお店には幾つかの不安要素があります。マスターは歳をとって仕事をするのが辛くなってきており、アルバイトを雇おうにも若い人がいません。常連客も、何十年と通い詰めた勝手知ったる顔ばかりで、それなりに楽しんではいるのですが、なんだかあまり変わり映えもしません。正直、退屈です。

そんなある日、どうしたわけか若い旅人がお店に入ってきます。マスターも、お客さんも、もう興味深々です。「どこから来たの?なぜ、ここに来たの?」と、若者に訊ねます。「東京から来ました」という若者を、一同は心の底からもてなします。この若者は、すぐに東京に戻ってしまいますが、このときに歓待されたことに感動した若者は、友人たちに、その体験を伝えるのでした。旅先で訪れたお店が、いかに素晴らしかったか。そこで触れ合った人々との交流、歴史を感じるお店の佇まい。やがて、そのお店には、都会から若者が、屡々と訪れるようになります。「もう歳をとったからお店を閉めたい」と呟いていたマスターも生気を取り戻し、常連客は、もはや退屈することなどありませんでした。

小話のようになってしまいましたが、わたしは、地方に若い人たちが来るだけで、地域の新たな活力が生まれるタネを植え付けていくことができると考えています。最終的には、IターンとかUターンなど移住者を増やしていくという目標を掲げるのだとしても、重要なのは、その前段階の「訪問する」という行為です。仮に都会からでなかったとしても、域外に住む若者との交流は、そこに住む人たちの活力になり得ます。そういう点において、広い意味での観光こそが、地方にとっての最終兵器と言えるかもしれません。

▼高度成長期的ではない人生設計の提案
 つまるところ、「良い高校に入学し、良い大学に進学、一流企業に就職する」という高度成長期的成功モデルでは、大学や企業が都市部に集中している以上、人口流出を止めることはできないのです。しかし、「都市部で働き生活していくことと、地方で生きていくことは、どちらが魅力的か?」ということについては、個人的な興味や経験に、大きく左右されると感じています。

しかし、地方には、こういう職があるのだ、こういう生き方があるのだ、そして実際に、そこで生きている人がいるのだ、ということを体験する。そして、人生のキャリア形成を考える前の若い感性に、小さな小さな一石を投じておくことは、その後、都市部の大学に進学し、企業に就職することになったとしても、ある人にとっては、どこかの転機で、地方での人生を志向するきっかけになるはずです。

▼スタディ×キャリア×旅
その意味において、今回、わたしたちが企画しているN高の職業体験プログラムは、小さな一歩であることは自認しつつも、地方創生のキラーコンテンツになりうるポテンシャルを有していると実感しています。一言でいえば、地方の文化を肌で感じる学びの要素と、職業体験を通してこれまでの生き方を振り返り、今後のキャリア形成に資する可能性、そして旅を組み合わせて、スタディ・キャリアツーリズムと呼べるものです。

その先には、本コラムのシリーズ第一回で述べたような「プルーラライズした生き方」があるのだと思います。固定化された生活、職業、生き方の中で、なんとなく閉塞感を感じている人々が、より流動的になっていくことが、新しいこのくにのかたちを形成していくのだと思います。

それぞれのフェイスブックへのリンクはこちらです。

宇和島大作戦
蒋渕(こもぶち)の高木ハジメさん
御槙(みまき)の渡邊誠さん
石応(こくぼ)の二宮新治さん
奥南(おくな)の奥谷 篤巳さん

次回以降、キャリアデザイン、キャリアアンカー、キャリアドリフトといった考え方についても見ていきます。
できれば宇和島の高校生や中学生にも参考にしてもらえるような内容をご紹介したいなと思っています。そもそも論になると思います。

なお、今回参照させていただいた記事の筆者についての情報です。

林田 暢明(はやしだ・のぶあき)
2001年下関市立大経済学部を卒業後、日本銀行に入行。その後、2003年に財団法人松下政経塾に入塾。2005年、地域活性化を目的としたカフェ「TAO」を福岡市に設立。2011年から、東京と福岡の2拠点居住生活をおくっている。他に、総務省地域資源・事業化支援アドバイザー、福島県南相馬市教育復興基本計画策定のための有識者会議副会長などを歴任。福島県双葉郡「双葉みらい学園高校」設立にもかかわるなど、教育分野、地域活性化分野において全国各地でコンサルティングを行っている。38歳。北九州市出身。

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